ALBA Net  ゴルフ

注目!
ツアー情報

悔しさ、にじむ涙… 全米で見た竹田麗央、西郷真央、渋野日向子の“リアルな感情”【現地記者コラム】

今季メジャー2戦目は、竹田麗央、西郷真央、渋野日向子が優勝争いに加わり大いに沸いた。

所属 ALBA Net編集部
齊藤 啓介 / Keisuke Saito

配信日時:2025年6月6日 12時00分

竹田麗央、西郷真央、渋野日向子。先週の米国女子ツアー今季メジャー第2戦の「全米女子オープン」は、この3人が優勝争いに加わり大いに沸いた。多くのゴルフファンの記憶に残る熱戦だったに違いないが、筆者の胸に強く刻まれたのは、選手たちが見せた涙だった。

【写真】渋野と西郷はどんな打痕? 女子プロ28人のドライバーのフェース面をチェック

最終日、3人はそれぞれ逆転優勝を目指して懸命にプレーした。しかし、首位の背中を捉えることはできなかった。悔しさを胸に会場を後にすることとなったが、ラウンド後、ロープの外側ではさまざまな感情が交錯していた。

「シェブロン選手権」に続くメジャー2連勝が懸かった西郷は、唇を噛み続けた決勝ラウンドとなった。2日目終了時点で単独首位に立ち、連勝も現実味を帯びていたが、3日目に「75」と崩れ、3位に後退。「自分のゴルフが良くなかった」と、悔しさを押し殺しながら言葉を絞り出した。

迎えた最終日もオーバーパーのラウンドに終わった。しかし、3日目に見せた険しい表情とは違い、次を見据える余裕もあった。「決勝ラウンドはいいプレーができなかったけれど、あとちょっとしたことがかみ合えばもっといいプレーができると思うので、頑張りたい」。メジャー連勝はならなかったが、気持ちを切り替えて会場を後にした。

一方、2年連続2度目の出場となった竹田は、昨年とは異なる想いを抱いて大会を終えた。最終的に2位でフィニッシュしながらも、「今年は優勝できる自信があったので、悔しい」と語った表情には、満足感よりも悔しさが色濃く残った。

昨年は9位で終え、「楽しかった」と振り返っていたが、今年はさらに上の成績を残してなお気持ちは晴れなかった。ルーキーながら、3月の「ブルーベイLPGA」で早くも米ツアー通算2勝目を挙げ、日本ツアー年間女王の実力を証明するかのように、今季はすでにトップ10常連の活躍を見せている。メジャータイトル獲得は、もはや現実的なものともいえる。

その思いは、2日目にもすでに表れていた。最終18番ホールで痛恨のダブルボギー。初日に「68」をマークし、2日目も17番までアンダーでまとめていた矢先の“ダボ”だった。難しいセッティングの中で積み上げた貯金を失った直後、竹田はラウンド後のインタビューで、目に涙を浮かべながら懸命に言葉を紡いでいた。

その後も、母・哲子さんの肩に身を寄せ、静かに涙を流した。まだ2日目。それでもこみ上げた感情は、今年のメジャーに懸ける強い思いの裏返しだった。

渋野もまた、最終日を終え悔しさから涙を流したひとりだ。ラウンド後のテレビインタビューでは、最初こそ笑顔を見せていたが、解説を務めた有村智恵からのメッセージをインタビュアーが読み上げた瞬間、堰(せき)を切ったように感情があふれ出した。

「今のショットの状態で、この順位を誇らしく思います」。これは、有村からのメッセージの一部だ。初日から「ショットがよくない」と話していた渋野だったが、それでも優勝争いに食らいつき、粘りを見せた。しかし、最終日にはこの大会初のオーバーパー。2つ目のメジャータイトルは、あと一歩で手からこぼれた。

今季はトップ10入りすらなかった渋野にとって、このメジャー2戦目は勝負の舞台だった。それだけに、有村の言葉は大きな救いとなったに違いない。こらえていた感情がほどけ、こぼれた涙はウェアを濡らすほどだった。インタビューを終えた後の取材では、涙をぬぐい、気丈に笑顔を見せた。報道陣の問いに一つひとつ丁寧に答え、最後には「くよくよしている場合じゃない」と涙を乾かし、次戦「ショップライトLPGAクラシック」へ前を向いた。

最終日、3人は最後まで逆転優勝を目指して戦い抜いたが、首位の背中を捉えることはできなかった。試合後、さまざまな感情が交差する中、ロープの外側で前を向こうとするトッププロたちの姿を見た4日間でもあった。(文・齊藤啓介)

【ALBANet読者プレゼント】全米女子オープン限定グッズが3名様に当たる!

関連記事

この大会のニュース

LPGAツアー 週間アクセスランキング


大会情報

  1. 国内女子
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    明治安田レディス
  2. 米国男子
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    全英オープン
  3. 米国男子
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    バラクーダ選手権
  4. ステップ・アップ
    開催前
    2025年7月17日 7月19日
    あおもりレディス
  5. DPワールド
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    全英オープン
  6. DPワールド
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    バラクーダ選手権
  7. アマチュア・その他
    開催前

おすすめコンテンツ

関連サイト