日本のプロテスト合格を目指し、宍戸ヒルズCC(茨城県)で研修生をしている“ありなみん”こと、23歳の林亜莉奈(はやし・ありな)。2023年からマイナビネクストヒロインゴルフツアーで戦い、25年には年間2勝を挙げ、自身初の年間女王に輝いた。今年は、オーストラリアツアー(WPGA)のツアーエグゼンプションランキング(QT)44位で出場資格を得て、海外でも戦う。異国の地で何を感じているのか――。新たな挑戦の現場を追う。(取材/構成・高木彩音)
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みなさん、こんにちは! 林亜莉奈です! 1月から挑戦したオーストラリアツアー(WPGA)は、3月29日から2日間行われた「ワールド・サンドグリーンズ選手権」をもって、2026年シーズンを終えました。
開催された「Holbrook Returned Servicemen's GC」のコースには、本当に驚きました(笑)。なんと、グリーンが芝ではなく“砂”なんです。サンディーグリーンと呼ばれるもので、砂とオイルを混ぜて固めた特殊なグリーン。乾燥地域で芝の維持が難しいために採用されているそうで、パターを打つ前にはレーキで表面をならしてから打つというルールになっています。
「それどういうこと?」ってなりますよね(笑)。
通常はボールの後方にマークを置きますが、この大会ではボールの横に少し長めの2本線を引くことでマークとします。その後、各ホールに用意されているトンボのようなレーキを使い、ボールからカップ、さらにその先の延長線までをならすことができます。行って戻るように1往復してラインを整え、自分で“打つ道”を作ってからパットする、というイメージです。
レーキをかけるとボール近辺の線が消えてしまうので、完全に元の位置を再現するのは難しく、残った線の延長部分、かつカップに近づかない位置、「このライン内ならOK」という考え方でした。通常の試合ではボール1個分のズレでも罰則になりますが、この大会では引いたラインの範囲内にあれば問題ないため、多少の左右のズレは許容されます。
各ホールには整備スタッフがいて、各組の選手がカップインして終わるごとにグリーン全体をならしてくれます。トーナメントでバンカーを整備するのと同じような作業を、手作業で行っているイメージです。
プレーの感覚はとても独特でした。バンカーのように止まることもあれば、硬い面で跳ねることもあり、最後まで距離感が合いませんでした。アプローチでも、砂に食われることもあれば、練習場の床のようにコツンと跳ねることもあります。そのため、ロフトのあるクラブで上げるよりも、アイアンやユーティリティで転がしたほうが寄せやすい印象でした。
ショット自体はとても良かったのですが、初日は6オーバーの「78」。パットが決まらず、完全に“運の要素”が大きいラウンドでした。2日目は手前から攻めることを徹底し、1アンダーの「71」と、なんとかスコアをまとめることができ、トータル5オーバー・18位タイで終えられました。アンダーパーで回る選手も少なく、難易度の高いコンディションでした。
未知の体験でとても面白かった反面、「これを4日間やりたいか?」と聞かれると正直やりたくないです(笑)。いいショットがスコアにつながらないストレスが大きく、パターの技術というよりも、いかにレーキを使ってラインを整えられるかが重要だと感じました。
とはいえ、特殊なのはグリーンだけで、コース自体はオーソドックス。全体的にフラットで、いくつかドッグレッグがあるレイアウトでした。ショットの感触が良かっただけに悔しさは残りますが、手応えはしっかりと感じることができました。こういったコンディションのコースはなかなか経験できないと思いますし、おそらくオーストラリアならではの大会。貴重な経験になりました!
