<横浜ミナトChampionship 〜Fujiki Centennial〜 3日目◇10日◇横浜カントリークラブ(神奈川県)◇7207ヤード・パー71>
ツアー未勝利の29歳・阿久津未来也(あくつ・みきや)が初日から上位をキープし、トータル17アンダー・単独トップで日曜日を迎える。最終日最終組は「人生で初めて」。すでに緊張感がただよっている。
この日はボギーなしの7バーディを奪取し「64」をマーク。フェアウェイを外したのは2回だけで「比較的、今週は捉えられている」とティショットの精度には納得。「横浜はフェアウェイを外したら一気に難しくなる」。横浜CCはフェアウェイを外すとブッシュやバンカーなどがあり、チャンスにつけられる率がグッと下がる。安定感のあるショットが好スコアの要因だ。
きょうのハイライトとして、11番パー4を挙げる。「11番で初めてフェアウェイを外して、左のラフで出すだけ。55ヤードぐらいの3打目が残って、それをベタピンに寄せてパーを拾えた。きょうの一番のキーポイントだった」。492ヤードと長めのパー4でパーセーブできたことが大きく、その後の3バーディにつながった。
2位に2打差をつけての最終日。プロ8年目にして、初めての優勝争いで緊張が止まらない。「しかもトップで迎えるって…。もう絶対に緊張するし、普通にやろうと思ってもできない。逆にもう思いっきり緊張して、雰囲気を思いっきり楽しんで」とあえてプレッシャーを“迎え入れて”、緊張の最終ラウンドを楽しみ尽くすつもりだ。
この日は最高気温が37度と炎天下のなかでの試合となった。熱中症も心配されるなか、1774人のギャラリーが訪れた。選手会副会長の阿久津には“男子ツアーを盛り上げたい”気持ちがあるからこそ、ファンの応援に応えたい。
「夏休みということもあって、子どもたちが来てくれてるのもうれしいですし、男子ツアーをこの暑いなかでも観に来てくださっている方たちに、少しでも思い出を作ってもらいたい。それがどういう形か分からないですけど、最後18番グリーンを迎えたときに、一人でも多くのギャラリーがいてくれたらうれしい」
ファンにとって最高の思い出にするためにも、最終18番のグリーン上で大きなガッツポーズを見せたい。阿久津が“夏男”になる瞬間が楽しみだ。(文・高木彩音)