ミスショットが連発する、飛距離が落ちた、腰が痛い。その上、尿のキレも悪い……。これらの不調、バラバラに見えて原因はひとつ。骨盤がガチガチに固まった「フリーズ骨盤」のせいかもしれない。スイングの土台であり、体の要である超重要パーツ「骨盤」を、今こそ整えていこう。
骨盤が動かないとスイングは崩れる
スイングにおいて「骨盤の前傾角度をキープする」「バックスイングで骨盤を回して、右股関節に乗る」などが大事なのは、ご存じの通り。
「骨盤がガチガチに硬い人は、股関節から前傾できず背中を丸めて体を倒します。その結果、スイング中に前傾角度が崩れやすい。また、骨盤が回らなければ手打ちになり、ダフリやトップを引き起こします」と話すのは、日本骨盤協会代表の骨盤マニアKAOさん。つまり、骨盤が動かなければ、思い描いた通りのスイングはできない。
「骨盤が固まってフリーズしていると、腰痛やぽっこりお腹、尿のキレの悪さなど、悪影響は全身に及びます」
ミスが増えたのも、お腹が出ているのも、原因は動かない「フリーズ骨盤」にあるのかもしれない。放置せず、動く骨盤を取り戻そう。
そもそも骨盤ってどこの骨のこと?
「骨盤=腰周りの骨」という程度の認識しかない人も多いだろう。まずは、その構造と役割を押さえておきたい。
骨盤は一つの骨ではない。背中側にあるハート型の「仙骨(せんこつ)」、その両側に象の耳のように広がる「寛骨(かんこつ)」、そして仙骨の下にある「尾骨(びこつ)」で構成されている。仙骨は背骨の土台となり、寛骨の股関節で大腿骨とつながっている。つまり骨盤は、上半身と下半身をつなぐ“体の要”といえる。
骨盤の動きは3種類ある
骨盤は、前後・左右・回旋の3つの動きができる。
ひとつは「前傾・後傾」だ。ゴルフはアドレス時に骨盤を前傾させ、その角度を保つことが重要になってくる。ふたつ目は「挙上(きょじょう)・下制(かせい)」。左右の骨盤が交互に上がったり下がったりする動きのことで、これができるから歩いたり、階段を昇り下りできる。
3つ目は「回旋」。大股で歩くときにも必要な動きで、バックスイングでは右に、フォロースルーでは左に骨盤を回旋させている。この3つの動きが滑らかにできる「スムーズ骨盤」を目指したい。
フリーズ骨盤を放置すると足腰が弱くなり脂肪がつきやすい
骨盤にも多くの筋肉が付着していて、加齢で筋肉が硬くなると骨盤の可動域は狭くなる。猫背などの悪い姿勢や、運動不足で骨盤を動かさないことも、フリーズ骨盤の原因だ。
フリーズ骨盤を放置すると、骨盤に付着しているお尻や太モモなどの大きな筋肉が使われにくく、やせ細っていくのも困りもの。足腰が弱るうえ、代謝が落ちて脂肪がつきやすくなるからだ。お腹がぽっこり出やすいし、体脂肪が増えれば血管系疾患のリスクも高まる。骨盤の底にある骨盤底筋群が弱れば、尿漏れや尿のキレの悪さも招くことになる。
フリーズ骨盤を防ぐには、前傾・後傾、挙上・下制、回旋という三つの動きを、体に思い出させることが肝心。一度サビが取れれば、歩いているだけでも骨盤は自然と動き、固まりにくい骨盤へ変わっていく!
スムーズ骨盤とフリーズ骨盤、差はここに出る
◇スムーズ骨盤なら……
・スイングもスムーズ
アドレスは股関節から上体を前傾させ、バックスイングで右に、ダウンスイング以降は左に骨盤を滑らかに回旋させられる。骨盤が安定して動くことで下半身主導のスイングが可能になり、再現性が高まる。
・お腹がへこんだスマート体型
骨盤が立ち、背骨が自然なS字カーブを描く「いい姿勢」を保ちやすい。姿勢を保つために体幹の深層筋や抗重力筋が常に働くため、ムダ肉知らずの引き締まった体型を維持できる。
・いつまでも自分の足で歩けてゴルフを楽しめる
骨盤が動けば体の大きな筋肉がしっかり動くので、何歳になっても強い足腰をキープできる。骨盤の状態が良いと自律神経も安定。イライラしたり落ち込みやすい「老年性うつ」を寄せつけにくい。
◇フリーズ骨盤なら……
・スイングが不安定
骨盤の前傾・後傾が上手くできないと、背中を丸めたアドレスになりやすい。スイング中に前傾角度をキープできず、インパクト時に上体の起き上がりを招く。また骨盤が回旋しなければ手打ちになり、ダフリやトップが出てしまう。
・お腹ぽっこりの中年体型に
猫背になりやすく、体幹が働きにくい姿勢に。腹部の筋肉が使われず、脂肪がつきやすくなる。また、ガニ股で歩幅が狭くなる傾向も。ヒザや股関節を痛めて、ゴルフ引退……なんてことにもなりかねない。
・健康寿命も短命になる!?
骨盤周りの筋肉が使われずにお尻や太モモの筋肉がやせ細れば、代謝が落ち、内臓脂肪がつきやすくなる。その結果、動脈硬化や脂質異常症など生活習慣病のリスク上昇につながってしまう。