<横浜ミナトChampionship 〜Fujiki Centennial〜 初日◇8日◇横浜カントリークラブ(神奈川県)◇7207ヤード・パー71>
酷暑の戦いは第1ラウンドが終了した。7アンダー・2位と好発進を決めた阿久津未来也は、午前組でプレーしたとはいえ、後半は気温も上がったなかでのバーディラッシュだった。
バーディパットの距離は5メートル以内が多く、ショットの安定感も要因の一つ。ただ「一日に1メートル以内(のパット)は、1、2発きたら最高なんですけど、それが2発ぐらい来てくれたのと、3、4メートルというのも入った。リズムに乗れたのかなと思います」とチャンスをしっかりねじ込むことができたことも好スコアにつながった。
今年はこの大会前まで11試合に出場し、予選落ちが6度と序盤はなかなか思うようにいかなかった。「6月末、7月からそんなに悪い状態ではなくて。オープンウィーク中の3週間も 1つの試合で優勝できたりとか」。ツアー外競技で優勝するなど徐々に調子を上げている。
だからこそ、いまは「早く試合がしたいなっていうモチベーションがすごくある」と、純粋にゴルフがたのしい。「それが空回りしないように気をつけるのと、明日からも精一杯自分がやれること、試合の雰囲気を楽しみたい」。高ぶる気持ちを抑え、いまできるパフォーマンスをしっかり発揮することだけを考えている。
会場である横浜カントリークラブ(神奈川県)は、平均35度を超える気温で、ほぼ無風。“危険な暑さ”のなかでのプレーが続いている。それにより日本ゴルフツアー機構(JGTO)は、“猛暑等による熱中症対策のため”という目的で、1999年のJGTO発足以降初となる『競技日短パン着用 解禁』を決めた。
この決定に選手たちも「ありがたいです」と口を揃える。初日の“選手短パン占有率”は150人のうち、120人と大半が着用した。選手会副会長の阿久津はカラフルな色合いのデザインの短パンに白のポロシャツで登場。「履いて欲しいというのもあったので、派手なのか…少しビーチパンツっぽいかもだけど」。夏らしさが感じられるオシャレなコーディネートでも魅せた。今回の解禁については、選手だけではなくアパレルメーカーからも好評とのこと。「メーカーさんも、短パンが履けることを話したら喜んでいました」。これまでは長ズボン着用の規定があったが、メーカーとしても新たな方向性は大歓迎だ。
しかし、半ズボンになることで足の露出が増えることもあり、紳士のスポーツとも言われるゴルフにおいては反響もさまざま予想される。「半ズボンになる以上は清潔感をより意識しないといけない。その辺りは選手で統一したいなと思います」。選手会副会長として、日本男子ゴルフ界の“見え方”をより徹底していく意向だ。
「半ズボン導入は、“ほっんとうに”ありがたいですね。心からありがたいです」。この試みは暑いなかで選手たちが力を発揮するためにも大事なことだと感じた。そしてこの試みを長く続けるためにも、選手サイドはしっかりと“裾を正していく”つもりだ。(文・高木彩音)