昨今、値上がりの激しい海外メーカー製ドライバー。今年も新作を購入して「合わなかった」人も少なくないはずだが、それを防ごうとする量販店がある。ヴィクトリアゴルフを中心とした『VGFS』設置店だ。クラブに精通したフィッターで、人材教育担当でもある藍川朋久氏に話を聞いた。
『VGFS』とはVictoria Golf Fitting Systemの略で、クラブにセンサーを付けて試打するフィッティングシステムのこと。ゴルファーの【日替わりの調子】に左右されず、一人ひとりの振り方のクセを可視化し、合うヘッドとシャフトを推奨するスグレモノだ。
■「その日の調子」だけじゃなく「クセ」も可視化
「何を基準に推奨するの?」と疑問も出そうだが、ヘッドもシャフトも別個に詳細に計測して「どんな重心特性か?」「どんな剛性分布か?」物性を捉えた膨大なデータベースを持ち、そこからヘッド・シャフト・スイングのマッチ度を総合的に「%」で表示する仕組みだという。
今年はマキロイやシェフラー、ネリー・コルダらがテーラーメイド『Qi4D』ドライバーに2年ぶりに替えて大活躍。そのため、真ん中の【コア】モデルが巷でも人気だが、藍川氏は「『Qi4D』や『OPTM X』、『GTS2』と前後にウェイト入れ替え可能なコアモデルが増えたため、そこもデータを反映してきちんと推奨を出せるのはVGFSだけです」と胸を張る。
「テーラーメイドの『Qi4D』が4つの可変ウェイトで自在に調整できることは有名ですが、キャロウェイ『クアンタムMAX』も実はカバー内部のバックウェイト変更ができてオススメ。ミズノ『JPX ONE』も同様に“異素材複合フェースはすごく初速が出る”と評判で、今年のキャロウェイは純正シャフトの重さもより選べる形になっています。
■『クアンタムMAX』もウェイト変更可能
10KモデルのPING『G440K』も前作になかった後方の可変ウェイトで“つかまるし、振りやすくなった”と評判ですし、コブラのコア『OPTM X』もウェイト次第でLSにもMAX寄りにも調整可能なりました。その日の調子に対応できるモノが増えたので、より賢くVGFSで合うモノを見つけて欲しいですね」(藍川氏)
具体例に、重心位置の変化の一例を見てみよう。ノーマル状態から前を9gに重く替えた『Qi4D』の可変では、重心深度40.1mm ➡ 37.37mm。『クアンタムMAX』のノーマルからヒール可変後の重心距離は、41.8mm ➡ 40.29mm。『OPTM X』のノーマルからバック重に可変すると、重心深度40.97mm ➡ 43.63mmといった具合だ。
フェース開閉(≒つかまり具合)に影響する「重心距離」は、メーカーごとに歴代特徴があって「新作でもそこはさほど変わらない」とのことだが、今年の場合はシャフトもよりフィッタブルになっていた。
「前作から重心距離を比較してみても、短くてつかまるキャロウェイ、長くて安定のPING、長めで安定寄りのテーラーメイドとのポジションは不変ですが、テーラーメイドは純正シャフトも選べる新機軸を打ち出してきました。アームローテーション次第でLR ➡ MR ➡ HRで最適を選べます。テーラーメイドさんの言い分ではインパクトの手の位置で判断するそうですが、動画だと不鮮明になりやすいんですよ。
■純正シャフトでも“開閉”が選べる
でも、我々のVGFSは、センサーが正確に数字で測っています。具体的には、ダウンスイングの【ヘッド回転IPの戻り値】という表示ですね。ここが0~25度までがLR(ローローテーション)で、25~50ぐらいまではMR(ミッドローテーション)。それ以上がHR(ハイローテーション)と、写真や動画を撮らなくても、きちんと正確な数字が1球打つだけでバチッと出てくるんですよ」
もちろん、テーラーメイドだけでなく、あらゆるメーカーの純正シャフトも同一基準で計測・分類されているという。そして、ヘッドとシャフトの3桁に近い項目のデータから、一人ひとりのスイングに推奨を出すとか。
寒い冬に選んだドライバーは、暑くなると「合わなくなりがち」だという。「直近でデュアルウェイトが特徴のタイトリスト『GTS』の試打クラブが入ってきて注目を集めていますが、最新作でなく一世代、二世代古いモノが推奨される場合もお伝えします」と藍川氏。気候変動でこれから始まる「長~い夏」に向け、最適なモノを賢く選びたい。
◎取材協力/ヴィクトリアゴルフ御茶ノ水店