<日本プロゴルフ選手権 センコーグループカップ 初日◇21日◇蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀県)◇6991ヤード・パー72>
ツアー通算3勝の34歳・木下稜介が、雨が降ったり止んだりする難コンディションのなか、7バーディ・ボギーなしの「65」をマーク。ホールアウト時点では首位タイ。首位発進となれば、2021年「パナソニックオープン」以来となる。
好スコアを支えたのは、23回にまとめたパッティングだ。タテ幅約25ヤードと小さいグリーンは硬くて速く、傾斜も強いためライン読みが難しいコンディション。最終9番では7メートルのパットをあとひと転がり届かずパーとしたが、この日は同様の距離をしっかり沈める場面が目立った。
練習日はボールが止まらない状態だったが、この日は雨の影響で一転。「傾斜が強くて難しいグリーンなんですけど、(雨の影響で)スピードが少し落ちている感じがして、しっかり入れることができました」と悪天候を味方につけた。
グリーンスピードとの相性もあるが、その“しっかり打つ”パッティングのヒントとなったのが、同組でプレーした宮本勝昌の存在だ。ツアー通算12勝を誇り、今年で4年目となるシニアツアーでも通算11勝を挙げる53歳のストロークから学びを得た。
「(打ち出しの)初速が早いというか、しっかり打たれるので、曲がりそうなラインでも入ります。その辺を途中から取り入れて、すごくいい感じで回れました」
チップインバーディ2回を決めた前半は12パット。そして前半13番以降から取り入れた“宮本スタイル”が馴染み、後半は9ホールのうち1パットが7回で4バーディを奪った。自身の18ホール最少パット数を記録している21年「ブリヂストンオープン」2日目の21パットには及ばなかったものの、大きな手応えをつかんだ。
さらに今週からパターを新調。テーラーメイドのスパイダーシリーズ後継モデルとみられる一本で、もともと同シリーズを使用する木下は「バランスなども揃えてもらえたので、すんなり変えることができました。気分転換がてら変えてみた結果、良かったです」と、さっそく好結果につなげた。
即投入することを決めた理由は「構えたときに、方向が合わせやすいというのが1番です」と、しっくりくる“座り”から得た安心感だ。「あとは圧倒的に転がりがいい。どうしても芯が外れるときはあるんですけど、芯を外しても順回転になるので、思った通りに転がってくれます」。大舞台でも不安なく使える、信頼の一本だ。
木下にとって、2021年「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」がプロ初優勝の舞台。「若い時はそんなに重みを感じなかった」のが本音だが、「初優勝がたまたまメジャーだったので、重みがわかった」と明かす。メジャー優勝者には、残りシーズンを含めた5年間のシードや翌年から10年間の大会出場権など「“特典”の多い試合」だ。
「もちろん気合いは入るけど、気合を入れすぎて空回りするのが僕の悪いところ」。そう自己分析した上で、「あえて平常心という、普通の試合と変わらず、挑んでいます」と自然体で挑む構えだ。
新たな武器とベテランから得たヒント、そして胸に秘めた闘志を武器に、好位置をキープしたまま走り抜きたい。(文・高木彩音)
