最新ボール全6モデルをドライ&ウェットで試打テスト
今回はメーカー各社が販売している最新ボール全6モデルで一風変わったテストを実施した。梅雨の時期など、雨や朝露で濡れたボールはフェース面に水分が付着することで弾道に変化が出る。そこで、ドライとウェットの2つの条件で試打を行い、『雨に強いボール』を探したのだ。テストを行ったのは以下の2名。
▪️北野正之(右)
実戦的なレッスンが人気のティーチングプロ
きたの・まさゆき/1966年生まれ。スイング理論だけでなく、メンタルの仕組みやマネジメント術など、多彩な知識でゴルファーを上達に導く。ラウンドで使える実戦的なレッスンが得意。
▪️田辺直喜(左)
QT出場経験を持つゴルフライター
たなべ・なおき/1985年生まれ。JGTOのQTに出場するなど、プロゴルファーを目指した経験を持つゴルフライター。レッスンやギアなど、ゴルフに関する知識は豊富。
今回の評価項目
1:打感
フルショットでボールコンタクトしたときに感じる打感の硬さを5段階で評価。数字が高いほどしっかり
2:飛距離性能(ドライ)
乾いたボールをフルショットして、ボール初速や打ち出し角、スピン量によって、飛距離が出やすいか
3:飛距離性能(ウェット)
濡れたボールをフルショットして、ボール初速や打ち出し角、スピン量によって、飛距離が出やすいか
4:アプローチスピン
グリーンを狙うアプローチで、しっかりスピンの利いたボールを打ちやすいか
5:コストパフォーマンス
価格に見合った性能を持っているか、耐久性の高さで持ちが良いかどうか
濡れた状況では雨用ボールが絶対的に有利
雨の中での飛びを検証するため、ドライとウェットの2パターンで試打比較を行った。ドライバーやアイアンで打ち比べてみると、通常のボールは、打感の変化こそは少なかったが、打ち出し角やスピン量の変化で飛距離の低下が見られた。一方で、ドライ状態から弾道や飛距離の変化が極めて抑えられたのが撥水コーティングを施した雨用ボールだ。
「スプレーで水を吹き付けた段階で明らかな違いがありました。雨用ボールは表面にかかった水分が弾かれ、表面張力で丸くなっているので、少し衝撃を加えたらスルッと落ちていきます。そのおかげか、ウェットの状態でボールを打っても、ドライのときとほぼ同じ打感で、むしろ喰い付きが良いと感じるほどでした。弾道の変化もほとんどなく、自分がイメージする番手なりの飛距離を出せるので、雨ゴルフでも、朝露が付いてもマネジメントがしやすくなるはずです。普通のツアーボールは、水分が付着することによる弾道の変化は少なからず起きます。ただし、弾きの良い硬めのモデルは初速が落ちにくいぶん、飛距離ロスが小さくなる印象でした。アプローチスピンについてはそもそもツアーボールの方が性能が高く優位ですので、ショートゲームを重視する人におすすめです」(北野)
水を弾く雨用『JGR』は飛距離ロスが最小限
今回ベストバイを獲得したのはブリヂストンの最新モデル『TOUR B JGR スプラッシュ』だった。雨用にコーティングを施したモデルで、ドライとウェットでの性能差が圧倒的に小さくなっていた。雨の中でも飛び方が安定するので、スコアメイクの大きな武器になるボールだった。以下、テストを行った全6モデルの詳細を解説していく。
【評価S+】ブリヂストン『TOUR B JGR スプラッシュ』
実勢価格:6,380円
評価:S+
SPEC
構造:3ピース
カバー:Neo BOOST POWERカバー
ディンプル:デルタウィング・ディンプル338
打感:2
飛び(ドライ):4
飛び(ウェット):4
アプローチスピン:◎
コスパ:◎
カバーに撥水コーティングを施した雨用ボール。ウェット時でもインパクトの打感の変化が小さくて、弾道が安定する。コアの反発力が高い飛びに特化した性能も相まって、低スピンの強い弾道で飛距離が出る。
【評価S】ブリヂストン『TOUR B X』
実勢価格:6,930円
評価:S
SPEC
構造:3ピース
カバー:リアクティブiQ・ウレタンカバー
ディンプル:シームレス330デュアルディンプル
打感:3.5
飛び(ドライ):4.5
飛び(ウェット:3.5
アプローチスピン:🌸
コスパ:◎
高比重インナーカバーの効果でMOIが高く、弾道のブレが小さい。ウェット時の飛距離は少し落ちるが、弾道安定性が高く、狙い通りの方向に飛ばせる。アプローチにおける乗り感はハイレベルでしっかりスピンが利く。
【評価S】キャロウェイ『クロムツアーX』
実勢価格:7,370円
評価:S
SPEC
構造:4ピース
カバー:ハイパフォーマンス・ツアーウレタンソフトカバー
ディンプル:NEW シームレス・ツアーエアロ
打感:3
飛び(ドライ):4.5
飛び(ウェット):3.5
アプローチスピン:🌸
コスパ:◎
今回試打したツアーボールの中では打感がソフトで、濡れても程良くフェースに乗ってくれる。コアの弾きの良さで飛距離ロスが小さい。ウェット時でもしっかりアプローチスピンがかかる優等生のボール。
【評価S】テーラーメイド『TP5x』
実勢価格:7,370円
評価:S
SPEC
構造:5ピース
カバー:キャストウレタンカバー
ディンプル:ツアーフライトディンプルパターン
打感:4
飛び(ドライ):5
飛び(ウェット):4
アプローチスピン:🌸
コスパ:◎
ドライバーでもアイアンでも強い弾きと適正弾道の飛びが得られるボール。ウェット時でも弾道のブレを小さく抑えてくれる。ショートゲームでは打感がソフトに感じられて、距離をコントロールしやすい。
【評価S】ダンロップ『スリクソンZ-STAR XV』
実勢価格:6,930円
評価:S
SPEC
構造:3ピース
カバー:高スピンバイオウレタンカバー
ディンプル:強弾道338スピードディンプル
打感:5
飛び(ドライ):4
飛び(ウェット):3
アプローチスピン:🌸
コスパ:◎
インパクトすると、ボール全体が強烈に弾いてスピーディーに飛び出してくれる。初速性能の高さでウェット時でもキャリーが落ちにくい。一方でアプローチではカバーの喰い付きの良さがあり、低めの飛び出しでスピンが利く。
【評価A+】キャスコ『ウェザーフリー』
実勢価格:5,280円
評価:A+
SPEC
構造:3ピース
カバー:高反発アイオノマーカバー
ディンプル:250ディンプル
打感:4.5
飛び(ドライ):3
飛び(ウェット):2.5
アプローチスピン:○
コスパ:◎
中高弾道の打ち出しでスピンを抑える設計のボール。撥水コーティングとの組み合わせで、濡れた状態でもスピンが安定するので、タテ距離のブレが小さい。アプローチでは足を使って寄せる球が打ちやすい。