<日本プロゴルフ選手権 センコーグループカップ 事前情報◇20日◇蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀県)◇7337ヤード・パー72>
先週の「関西オープン」で12年216日ぶりの復活優勝を果たした36歳・藤本佳則に、多くの祝福の声が届いた。「ありがたいことに、もう、たくさんいただきました。家はお花でいっぱいで賑やかになって。嫁ちゃんが喜んでいます」。
今週の会場でも、すれ違う選手や関係者から祝福の言葉をかけられる。「過去の選手になりかけていたので、喜んでくれる人がいて、うれしかったですね」。照れくさそうにほほ笑んだ。
優勝直後に「実感がわかない」と口にしていたが、その気持ちは数日経った今も変わらない。それ以上に強いのは、「やっとスタートラインに立てた」という思いだ。「“優勝した”という喜びはあまりなくて。不思議で仕方ないです」と、静かにうなずいた。
2011年11月にプロ転向。ルーキーイヤーの12年には「日本ゴルフツアー選手権」を制して賞金ランキング5位に入った実力者だ。19年までシードを維持したが、20-21年シーズンには賞金0円という苦境も経験。その後は下部ツアーを主戦場とし、今年はQT15位の資格で参戦。関西オープンの優勝でシード復活を果たした。
現在はポイントランキング1位にも浮上した。「ずっと(下部)ACNツアーでやってきて、レギュラーツアーはちょこちょこしか出ていない。自分がどれくらいできるのか、まったく分からなかった。でも優勝できたおかげで、『またこうして戦える』と分かったことが一番ありがたい。少し自信になります」と、この勝利が大きな糧となったことを明かす。
今大会には21年以来の出場で、メジャーは昨年の「日本オープン」以来。「1試合、1試合の戦うテンションは変えたくない。特別感をできるだけ持たないようにやっている。“メジャーだから”というのは正直、そんなに意識してないです」と普段通りの姿勢を貫く。
2週連続優勝についても「まったく意識していないです。自分に期待していないので。先週も期待していなかったです。自分のできることだけやって、上に行けたらいい」と話す。
自らへの過度な期待を手放したことで、本来の力を発揮できているのかもしれない。復活を遂げた36歳は、5年ぶりの“プロゴルファー日本一決定戦”でどんなプレーを見せるのか注目だ。(文・高木彩音)
