<関西オープン 3日日◇16日◇茨木カンツリー倶楽部 東コース(大阪府)◇6734ヤード・パー70>
先月の「前澤杯」3位タイで、7年ぶりのトップ10入りを果たしたツアー通算2勝の藤本佳則に、2013年以来の優勝のチャンスが訪れた。首位と4打差の9位から出たこの日は、3バーディ・2ボギーの「69」。首位と1打差のトータル4アンダー・4位タイに順位を上げた。
「難しかったですよ。耐えるだけですからね。そんな伸びてもないですし」。狭いフェアウェイ、深いラフ、硬いグリーン…の難セッティング。耐えながらのスコアメイクだったと振り返る。
さぞフェアウェイを外したのかと思いきや、「まあまあ(フェアウェイに)行ってましたよ。まあまあ行ってこれやから大変」と笑う。フェードボールが持ち球の藤本にとって、左ドッグレッグホールの多いこのコースは、ティショットから気を使うが、この日のフェアウェイキープ率は全体4番目の64.286%と高水準をマークした。
コース形状だけでなくピン位置も厳しかった。「左4とか左5とかが多くて。セーフティにいかざるを得ない。フェーダーにはちょっときついです、どうしても」。ピン位置を見るとグリーン左サイドから4ヤードが4ホール、同5ヤードが3ホールと極端に左端のピンが多かった。「左から攻めにくいですから。バーディパットも長くなりますよね」と苦笑い。ピン方向を狙っても右に曲がる持ち球ゆえに、遠ざかる。それでも1つ伸ばせたのは大きい。
ルーキーイヤーの12年に「日本ゴルフツアー選手権」で初優勝を遂げるなど賞金ランキング5位に入った。翌年も1勝を挙げている。かつてはツアーの中心にいたが、20年の秋頃から左肩痛に悩まされ、20-21年シーズンは21試合に出場して予選通過なしの屈辱を味わった。
シードを手放し、ケガの治療に時間をあて、阿河徹コーチと二人三脚で復活の道を歩んでいる。昨季は9試合で賞金ランキング70位とわずかにシードには届かなかったが、下部のACNポイントランキング18位の資格で今季前半戦の出場権を手にした。
シーズン序盤から連戦するのは21年以来、5年ぶり。「ゴルフ疲れに慣れるために先週のACNツアーも出ましたよ」と、レギュラーツアーがオープンウィークでも試合に出て連戦をして“心地よい疲労”を感じている。
今週も難しいセッティングに頭を悩ませているが、「ツアーじゃないとこういうセッティングはないですからね。頭を使わないといけないから、やっている方は面白いですよ、難しいけど」とプロゴルファーとしてやりがいを感じ、戦いの場に戻ってきたことを楽しんでいる。
優勝となれば13年の「TOSHIN GOLF TOURNAMENT」以来、12年216日ぶりとなる。これは、長谷川勝治の13年82日、横田真一の13年19日に次ぐ3番目のブランク優勝となる。
「きのう『61』とかポンって出る人もおれば、きょうみたいにずっと我慢比べみたいなこともある。いろんな人にチャンスがあると思います。見ている方は楽しいんじゃないですか。やっている方はしんどいけど」。その笑みに、虎視眈々と頂点を狙う気持ちもにじむ。「あしたは全部右4にしてほしい」。フェードヒッターが攻めやすい、グリーン右サイドのピン位置多めを切望した。(文・小高拓)
【国内男子ツアーのブランク優勝記録】
1位:長谷川勝治 13年82日(1980年「静岡オープン」~1993年「よみうりサッポロ」)
2位:横田真一 13年19日(1997年「全日空オープン」~2010年「キヤノンオープン」)
3位:湯原信光 10年51日(1992年「ヨネックスオープン広島」~2002年「久光製薬KBCオーガスタ」)
