<関西オープン 2日目◇15日◇茨木カンツリー倶楽部 東コース(大阪府)◇6734ヤード・パー70>
1925年に開場した名門コースは、フェアウェイが狭く、ラフが深い。林やOBが迫るホールも少なくなく、多くの選手がドライバーを握らず刻みを選択するホールが増えるなか、今季の平均飛距離333.08ヤードを誇る25歳の出利葉太一郎は、この日ドライバーを7回握った。
「いつもよりOBや林は気になるコースですけど…。本当に気持ち悪いところ以外はドライバーで打っています」。ドライバーを握った7ホール中、フェアウェイキープは5回。飛距離のアドバンテージを生かすことに成功した。前半は「耐えながら」オールパーでまとめ、後半に入ると「チャンスをモノにできた」と3バーディ・1ボギー。「68」をマークし、首位と3打差のトータル4アンダー・4位タイで予選を突破した。
7回使ったドライバーショットは、低いボールやコントロールショットではない。「ドロー、フェードは打ち分けますが、普通のスイングで普通に高い球を打っています」という。「僕も刻みたくなるときはあります。スコアがよくなって順位が上がってきたら刻みたくなりますけど、それより上のステージにいくためには、今は貫いていくことなのかなと考えています」。
昨年は米下部のコーン・フェリーツアーの予選会に挑戦し、2次まで進出。海外志向は強い。「聞いた話しでは、ドライバーの飛距離がスコアに影響しているというので、(飛ばし屋が多い)PGAツアーを早く見てみたい。まずは日本で自分のプレースタイルを作り上げていければと感じています」。狭いホールでもその先にフェアウェイがあれば、ドライバーを握り、アドバンテージを生かすスタイルを貫いている。
2日間の平均スコアが「4.7577」で難度1位の5番パー4は、フェアウェイが2段に分かれていて、下の段に届かせるにはキャリーで300ヤードは必要。多くの選手が間のラフにつかまるが、出利葉は2日とも下段のフェアウェイをとらえている。「きょうの2打目は、ピンまで142ヤードでした、自分にとってはチャンスなのかなと思っています」と、規格外の武器を存分に生かしている。
ツアー2年目の昨季は賞金ランキング58位で初シードを獲得。今季目指すのはもちろん初優勝だ。「スコアや順位がよくなると、なおさらコースが狭く見えてくると思いますが、その中でも覚悟を決めて。ドライバーもそうですし、セカンドショットも攻めていきたい。ピンポジションもタフになると思いますが、アグレッシブに挑戦したいと考えています」。
ちょうど100年前にこの舞台で「関西オープン」の第1回大会が行われた。先人たちが出利葉のゴルフを見たら驚くに違いない。残り2日、覚悟の攻めでチャンスを手繰り寄せる。(文・小高拓)
