<関西オープン 3日日◇16日◇茨木カンツリー倶楽部 東コース(大阪府)◇6734ヤード・パー70>
稲森佑貴の10年連続フェアウェイキープ率1位の座を阻止した男が、スルスルと優勝戦線に浮上した。24位から出たプロ11年目の勝亦悠斗(かつまた・ゆうと)は、この日のベストスコアタイとなる5バーディ・2ボギーの「67」。首位と2打差のトータル3アンダー・7位タイに浮上した。
昨季、フェアウェイキープ率部門に異変が起こった。2015年に1位になった稲森は、前人未踏の80%越えとなる『80.957%』を記録した24年まで9シーズン連続で“日本一曲がらない男”の称号を手にしていた。しかし、昨年は、勝亦が1.45パーセント上回る『79.283%』でその座を奪った。
“新”日本一曲がらない男は、「ありがたいことに、めっちゃいろんな方に声をかけていただいて。稲森プロが積み上げてきたものが大きかったので、余計に目立ちました。本当にありがたいです」と話す。高い壁を越えたことで多くの反響があり、知名度が上がった。
もちろん今週もその武器を生かしている。初日は「けっこう外しました」とパー3を除く14ホール中9回。「他のトーナメントよりフェアウェイは狭いですし、傾斜していて着弾してもラフに転がったり、難しいです」。自身のなかでは外したという感覚も強いが、全体で見れば2位の数字。この日はラフに入れたのはわずかに2回。3日目を終えてフェアウェイキープ率は『73.810%』で2位に約12%の差をつけて定位置をキープしている。
「このコースはフェアウェイから打てないと僕は勝負できないですね。きょうは外したのは2回だったので比較的いい流れでプレーできました」。フェアウェイを外した1番と3番は、ともにバーディ。残りの12ホールは、フェアウェイから堅実なマネジメントでスコアをまとめて優勝戦線に浮上した。
稲森の牙城を崩す技量はとても気になる。「セカンド以降のOBはありますが、ティショットに関しては数年、OBを打った記憶はありません」とドライバーには自信を持つ。フェアウェイキープをするコツを聞いてみると、「割と飛距離に関しては飛ばなくてもいいと割り切っています」という答え。昨季のドライビングディスタンスは『264.05ヤード』で100位。飛距離が出なくても堅実なスイングを心掛ける。
2つ目は「左右のラフは入れていい方と悪い方があるので、入れていい方はOKとして許容範囲を広く取って打っている感じです」。ターゲットをフェアウェイだけに絞りすぎず自分にプレッシャーをかけないことも大切だ。
3つ目はスイング。「イメージは上からとかアッパーで打つというより、横からヘッドを入れる感じです。手先を使わずに体重移動も使わずその場で回る感覚。ティアップを低くしたり、直ドラで練習したり、横から入れる練習をしています」。アドレスでボールを右横から見て、ヘッドを横から入れるレベルブローのイメージでバランスよく振れるという。
プロ11年目の31歳は、23年「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP byサトウ食品」での10位タイが最高成績。今季は下部ツアーのポイント上位で出場している。「順位を見たらすごくいい位置、差もないです。きょうみたいに先にいい流れが来てくれると思うので、ダブルボギーを打たないマネジメントで、気づいたら上位にいたらいいなと思います」。欲張らずに、フェアウェイを歩き続けて上位を狙う。(文・小高拓)
