<関西オープン 事前情報◇13日◇茨木カンツリー倶楽部 東コース(大阪府)◇6734ヤード・パー70>
日本最古のオープン競技として知られる今大会は、特別な4日間を迎える。主催する関西ゴルフ連盟(KGU)は、1926年10月の創立で、今年で100周年という節目の年。そしてコースは同年11月に開催された第1回大会の舞台、茨木カンツリー倶楽部(東コース)に戻ってきた。開場100年を超える名門は、いったいどんなコースなのだろうか? 4日間トップ組から最終組ホールアウトまでLIVE配信を行うALBA TVで解説を務める、ツアー通算6勝の奥田靖己に聞いた。
現在、関西地区の232クラブが加盟するKGUは、茨木カンツリー倶楽部、鳴尾ゴルフ倶楽部、宝塚ゴルフ倶楽部、舞子カンツリー倶楽部(現・垂水ゴルフ倶楽部)、京都カントリー倶楽部、甲南ゴルフ倶楽部、神戸ゴルフ倶楽部の7つの倶楽部の代表が集まり、ゴルフの普及・発展を目的に誕生した。そして1926年11月に、日本ではじめてアマとプロが競い合うオープン競技「関西オープン」を開催。ちなみに「日本オープン」は27年から始まっている。
この会場となったのが、スコットランド出身のプロゴルファー、ダビッド・フードの設計により25年に開場した茨木カンツリー倶楽部だった。全長5812ヤード・パー69の設定で、1日36ホールの決戦。7名のプロ、25名のアマが参加し、154ストローク・16オーバーで2位に8打差をつけた“日本のプロ第1号”福井覚治が優勝を飾っている。
1930年代にはC.H.アリソン、戦後に井上誠一が改修を行ったが、3分の1程度は100年前と変わらないといわれ、現存する18ホールのコースとしては、神戸ゴルフ倶楽部に次いで2番目に古い。1971年までに8回の関西オープンを開催。2023年の「日本オープン」をはじめ、近年のプロトーナメントは1961年開場の西コースに移行しているが、今回は55年ぶり、9回目の舞台となる。
総距離は6734ヤードで、5番(494ヤード)と16番(518ヤード)のパー5をパー4として使用するためパー70となる。距離は短いが倉本昌弘は「スコアは出せない」、河本力は「毎回ナイスショットを求められる」というほど選手からは”難しい”の声が聞こえる。
全体的なコースの特徴を奥田に聞いた。「昔のコースなのでグリーンが小さくて砲台。“アリソンバンカー”が効いていて、うまいこと作ってあります。グリーンを外すとアプローチが難しくなるので、ティショットのポジションどり、セカンドショットの精度が求められます。茨木は風が巻くので、どう読み切るかは大切ですね」と、フェアウェイキープとパーオンすることが攻略のカギと話す。
ただグリーンもやさしくはない。「小さいグリーンですけど、傾斜もありますし、意外と芝目があるんです。スピードが出たらややこしいです」とも付け加える。
奥田はここで年に7~8回はラウンドをしているが、トーナメント仕様のコースを見ると「普段と全く違う」と別の表情になっているという。グリーンは硬く仕上がり、ラフからだとウェッジでも止めるのに苦労するほど。要所ではペットボトルが埋まるほどラフが深くなっている。
また、パー4のホールは300ヤード台が6つと短い設定で、ティショットでフェアウェイをキープできればチャンスを演出できる。しかし、フェアウェイを絞っているだけでなく、林と林の間のホール自体が狭いので簡単ではない。加えて、左ドッグレッグホールが多く、ライン取りのイメージができないと苦労するようになっている。飛ばし屋の選手は1日1~2回。平均的な飛距離の選手でも6回程度と、ドライバーを使う回数は制限される。
ラフから2打目を打つケースが増えそうだが、「最近の若い選手はヘッドスピードも速いですし、ラフに入った時に硬いグリーンでも止められる技術の見せどころですね」と男子プロの“技”に期待する。
注目ホールとしては普段のパー5をパー4にした5番と16番を挙げる。5番はフェアウェイが分断されており、グリーン周りには池が待ち構える。1打目を刻めば2打目は250ヤード近く残る。16番はフェアウェイが狭く、平均的な飛距離の選手はドライバーで打っても200ヤードは残るため、ロングゲームが重要になる。
またインのスタートホールとなる10番は150ヤードのパー3。「ティショットをミスするとボギーになりやすい。距離は短めですが、リカバリーが難しいので無難なティショットでボギーを打たずにスタートしていきたいですね」と流れを作るホールになるかもしれない。
優勝スコアに関しては「グリーンがどれぐらい硬くなるかにもよりますが、4日間天気がいいので12アンダー、それぐらいに思っていたほうがいいかもしれない。距離が短いぶん、グリーンが止まるようだともっと出ると思いますが」と、二ケタアンダーがひとつの基準になりそうだ。
100年前の趣を残すコースに最新のギアを持った現代の選手がどうスコアを出すのか。「私は見た目とか自分の感性を大事にしてやってもらいたいですね」と、奥田はその攻略に期待を込めた。(文・小高拓)
