<シェブロン選手権 最終日◇26日◇メモリアル・パークGC(テキサス州)◇6811ヤード・パー72>
最終18番で3メートルのパーパットを決めると、両手を高くつきあげた。ネリー・コルダ(米国)がトータル18アンダーで完全優勝。「『神様ありがとう』と思った。ただこの瞬間を楽しみたい」。そして、2年前のザ・クラブatカールトンウッズでの時と同様に、膝を抱えて勝者の池にダイブした。
今大会を制した者にだけ許される伝統の儀式。「ヒューストンはとても暑かったから、すごく気持ち良かった」。恒例行事を守るために“急造”された18番グリーン脇のプールが、きれいな水しぶきを上げた。「トロフィーを掲げるなら飛び込むつもり。伝統を守り続ける。みんな意見があるけれど、伝統を断ち切ったら永遠に消えてしまう」。姉・ジェシカとその息子、キャディらチームでダイブ。問題視されていた池のクオリティも関係なかった。
まさに圧勝だった。5打リードで迎えた最終日も最後まで危なげなかった。「他の選手は失うものがないから、すべてをかけて攻める姿勢になる。守りたい一方で、あまり守り過ぎたくない気持ちがあった。どこまでネリーらしくプレーするか」。大会記録には1打及ばなかったが、5打差のまま最終ホールに入りウィニングパットを残すと、感慨深そうに両目を閉じた。
5試合連続優勝を達成するなど無双した2024年から一転、昨季は未勝利に終わった。「『スタッツは去年より良くなっているけれど、今年はまだトロフィーがひとつもないね』なんて言うの。それが本当にきつかった。それが自分の目指すものだったから」。こんな「雑音」をかき消してメンタルが強くなった。
54ホール短縮になった開幕戦を制し、3試合連続の2位を経て、メジャーで圧勝した。「最初の優勝は日曜日にプレーを終えられなかったという、少し変わった形での勝利。日曜日に優勝を逃し続けてきた私が、ついにメジャー大会で優勝できた。それだけで、これまでの苦労は報われた」。
優勝、2位、2位、2位、優勝。開幕から5試合連続で2位に入るのは、2000年カリー・ウェブ(オーストラリア/5試合)、01年アニカ・ソレンスタム(スウェーデン/6試合)に続く史上3人目だった。
この勝利によってジーノ・ティティクル(タイ)をかわし、世界ランキング1位を奪還する見込み。「(キャディの)ジェイソンの白髪が増えたのは、きっと私のために必死でサポートしてくれているから。本当に報われた」。強すぎるネリーが帰ってきた。(文・笠井あかり)

