<宮里藍 サントリーレディス 初日◇11日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6619ヤード・パー72>
2021年大会覇者の青木瀬令奈がスーパー女子高生と初タッグを結成し、スタートダッシュに成功した。今週はキャディをする予定だった大西翔太コーチが体調不良で急きょ離脱。前日のプロアマ大会はハウスキャディでの出場だったが、コースから車で約30分の神戸市内に住むアマチュアの後藤あい(松蔭高3年)にお願いして、異色のコンビが誕生した。
「大西コーチが不在というトラブルから一転、コースを知り尽くしている頼もしいキャディさんと力を合わせながらストレスフリーで回れた。楽しいラウンドでした」
6バーディ・1ボギーの「67」で回った18ホールはまさに、塾長・青木が塾生・後藤に匠の技を伝授する“瀬令奈塾”だった。飛距離は出ないが、精度の高いショット力に加え、卓越したグリーン周りの小技とパッティングで、確実にスコアを伸ばしていく。4つのパー5では3バーディを奪取。インから出た12番はピン手前4メートル、17番は6メートル、4番は7メートルを沈めた。今季ドライビングディスタンスは91位の223.61ヤードでも、パー5でバーディを重ねることができる。昨年の「住友生命vitalityレディス」の「ドライビング女王コンテスト」で277.8ヤードをかっ飛ばして優勝した飛ばし屋アマは、ただただ感心するしかなかった。
「私に足りないものをしっかり見せてもらいました」
18番(パー4)では真骨頂ともいえる絶妙のアプローチも披露した。グリーン手前の深いラフからの3打目。「ラフにスポッという感じだったけど、左足上がりだったので、カラーから1ヤードくらい入ったところにキャッチすれば、ピンに寄っていくかなと。イメージ通りにうまく打てました」。58度のウェッジのフェースを開き、ロブ気味に上げたショットはピンそば60センチについて、難なくパーをセーブした。後藤は「私だったらオーバーするか、チャックリのどちらかだったと思う。瀬令奈さんはラインを出しながら寄せていく。すごく勉強になりました」と目を見張った。
昨年7月の「ミネベアミツミレディス」の練習日に一緒にラウンドしたのが「はじめまして」だった。その試合の予選ラウンド2日間を同組で回ったことで、連絡先を交換し、コースを離れても食事をともにするなど交流を深めてきた。姉妹のような和気あいあいのラウンド。「あいちゃんと2人でマネジメントを考えて、『この辺に落として…』『こういうふうに打ちたいよね』という感じで回りました。見てもらって学ぶものがあればいいかな。私は背中で語るタイプなので」。
後藤のホームコースともいえる六甲国際GCでのサントリーレディス。8日の主催者推薦選考会(マンデートーナメント)は残念ながら通過に1打届かなかった17歳だが、損して得取れとなった初キャディ。週末は大西コーチが復帰予定だが、2日目までのコンビ継続は濃厚で、後藤は16日から始まる「日本女子アマ」に向けて「たくさん勉強したい」と声を弾ませた。
今季はここまで4度の11位が最高の青木にとっても、14試合目で初となる60台スタートで3年ぶりの優勝のチャンスが到来した。「今年は初日があまりよくなかったけど、いい滑り出しができてよかった」。背中でかわいい妹分にプロの技術を伝授し、ツアー通算5勝目を目指していく。(文・臼杵孝志)
