<ダウ選手権 初日◇11日◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6301ヤード・パー70>
「遠慮しない」。3年連続でタッグを組んだ勝みなみと渋野日向子は、そんな思いを胸に今年も大会を迎えていた。だが、試合が始まれば「ごめんね」、「大丈夫!」と、お互いを気遣ういつも通りのラウンドになっていた。
初日と3日目は、1つのボールを交互に打つフォアサム形式で行われ、奇数ホールと偶数ホールでティショットの担当を分けるフォーマット。勝が偶数、渋野が奇数を担当したが、「どうしよう。スタートからごめん(笑)」と、10番でいきなり渋野の“謝罪”が飛び出した。
とはいえ、勝は「全く気にしていないし、このフォーマットは難しいから」と、相棒をかばう。ボギーはつきもの、そんな、どっしりとした心構えは頼もしい。
2つのボギーを喫したものの、それを上回る4つのバーディを奪い、首位と1打差の好発進。11番パー5、13番パー3では、いずれも勝が長めのバーディパットを沈めた。さらに7番パー3では渋野がチャンスを演出し、ここでも勝がしっかりと流し込む。同学年ならではの、息の合ったコンビネーションも光った。
ラウンド後の取材でもお互いを気遣う姿は変わらない。渋野が「(勝)さまさま」と言えば、勝は「(パットを)強く打って、微妙なパーパットをしっかり入れてくれて」と労い合戦だ。遠慮しないとは言いながらも、そんなやり取りこそが2人らしい。
昨年大会は、このフォーマットで初日に「73」を叩き、2日目のフォアボール方式(良い方のスコアを採用する)で巻き返したものの、決勝進出には届かなかった。
首位と1打差の4位という滑り出しで「結構気楽になった」と勝が言えば、渋野もうなずく。難しいフォアサム形式での「68」は、明日へ向けた精神安定剤にもなりそうだ。
明日へ向けて渋野は「自分らしく」。それに呼応するように、勝は「明日は気を遣わないから」と笑い飛ばした。お祭りのような雰囲気もあるが、れっきとしたツアー競技。楽しみながらも、真剣勝負は続いていく。(文・齊藤啓介)

