滑らかなしなりで叩けるシリーズに待望の『RED』&『WHITE』が追加
USTマミヤがグローバル戦略モデルとして開発し、米国PGAツアーを中心に人気を博しているブランドが「LIN-Q(リンク)」だ。叩いても左へのミスが抑えられ、強弾道で飛ばせる性能がアスリートゴルファーから高く支持されている。
そんな「LIN-Q」の最新シリーズが『LIN-Q PowerCore(リンク パワーコア)』だ。
シリーズ名にある「PowerCore」は、USTマミヤが独自に開発した「Q-Ply素材×ナノレジンシステム」による新テクノロジーを指している。特殊な樹脂をナノレベルで追加する技術で、シャフトの余分な変形を抑えることで、滑らかなしなり戻りと、心地良い打感を実現している。従来モデルで培ってきた高いエネルギー効率を継承しながら、マイルドなしなりで、タイミングの取りやすいシャフトに進化したのだ。
『LIN-Q PowerCore』シリーズはすでにベン・グリフィン(米国)、リッキー・ファウラー(米国)といったトップ選手が実戦投入。中でもグリフィンはドライバーやFWで『LIN-Q PowerCore WHITE』を使用し、2025年シーズンに初優勝を含む3勝を挙げる大活躍を見せた。
『LIN-Q PowerCore』シリーズの“3兄弟”が揃ったところで気になるのが、それぞれどんな特性を持ち、どんなゴルファーに合うのか、ということだ。そこで今回は先行してリリースされた『BLUE』をいち早くテストし、「現代シャフトのど真ん中の性能」と高く評価したカリスマフィッター吉川仁に、『LIN-Q PowerCore』3兄弟のテストを依頼。「GCクアッド」を使った弾道計測や「GEARS(ギアーズ)」によるしなり挙動の解析によって、3兄弟それぞれの特性を解説してもらった。
「GEARS」計測で驚愕の結果! 右足前までのしなり方は「見分けが付かない」!?
まずは「GEARS」を使ったスイング中の動作解析を実施した吉川。スペックを「5S」に統一した上で、『BLUE』、『RED』、『WHITE』と順番に計測を行い、数値をチェックした吉川は、意外過ぎる事実を発見。『LIN-Q PowerCore』の3兄弟は、切り返しからハーフウェイダウンにかけてのしなり挙動が非常に酷似していたのだ。
「それぞれのモデルで、スイング中の『ヨコしなり』や『タテしなり』を計測しましたが、ほぼ同じ数値で見分けが付かないほどでした。切り返しでしっかりタメができ、それがハーフウェイダウンからインパクトにかけて、ヘッドがスクエアな位置に戻っています。『ヨコしなり』も、『タテしなり』も適正など真ん中の数値に収まっていて、3兄弟はどれもタイミングが取りやすいモデルであることは間違いなさそうです」(吉川)
一方で、モデルごとの違いが出ていたのは「Path Deflection(パス・デフレクション)」の数値だ。
「『Path Deflection』はスイング方向に対し、シャフトのしなりによってヘッドが垂直な位置からどれだけ動いているかを示す数値です。『Red』が40.11ミリと前方に大きく動いているのに対し、『WHITE』は32.44ミリと約8ミリの差がありました。これはかなり大きな差で、打ち出し角やつかまり具合に明確な違いが出ます。『BLUE』はちょうど中間で、手元とヘッドの動きに同調感があります。インパクトにおけるヘッドの動きがモデル選びをする基準になりそうです」(吉川)
タイミングの取りやすさは共通。打ち出し角とつかまり具合に違いを出せる
「GEARS」の計測を踏まえ、吉川に改めて、『LIN-Q PowerCore』3兄弟を試打してもらった。HS45m/sに調整した上で、「GCクアッド」を追加、弾道データを計測している。
吉川がまず手に取ったのは、すでに特性を知り尽くし、最近ではフィッティングで勧めることが増えたという『LIN-Q PowerCore BLUE』だ。
「やはり『LIN-Q PowerCore BLUE』はすごく良いしなり方をしますね。切り返しでタメができる感覚がありつつ、インパクトではスムーズなしなり戻りでヘッドが戻ってきます。振り遅れる感覚が全くありません。そして、インパクトではボールを強く押してくれるので効率良くボール初速が出ます。特徴的なのは、粘りながら滑らかにしなるフィーリングの良さです。振動数を調べると『5S』で『260cpm』と硬めでしたが、振っていてハードさは全くありません。しっかり感がありつつ、しなりも感じられる振り心地は今までにないフィーリングでした。改めて、USTマミヤの中で“過去イチの完成度”を誇るシャフトだと感じます」(吉川)
『LIN-Q PowerCore BLUE』は、手元とヘッドの動きの誤差が小さく、圧倒的にニュートラル。幅広いスイングタイプのゴルファーにフィットする万能性がある。方向を安定させたいけど、ハード過ぎず、スイング中にしなりを感じたい人にピッタリなモデルとなっている。
続いて、『LIN-Q PowerCore RED(5S)』だ。
「先端の戻りが明らかに早いです。でも、一般的な先調子のシャフトに比べて、先端の動きが安定していますし、『BLUE』に近いインパクトの押し感も備わっています。赤いコスメのモデルらしい走り感がありつつ、切り返しから右足前までのしなり方、振り感は『BLUE』にとても似ています。インパクト直前の挙動で、ヘッドが前に出る動きだけが違っていました。タイミングの取りやすさがありつつ、ヘッドの動きの分、インパクトロフトが増えて打ち出しが高くなり、つかまったボールで飛ばすことができます」(吉川)
『LIN-Q PowerCore RED』のヘッドが前に出る特性は、最新の高MOIヘッドと好相性。方向を安定させながら、シャフトの特性で高打ち出し・強弾道のボールが打ちやすいので効率良く飛距離を伸ばすことができる。
最後は、グリフィンやファウラーが愛用する『LIN-Q PowerCore WHITE(5S)』だ。
「PGAツアーの選手が使うシャフトなので、ハードなのではないかと想像しましたが、全然そんなことはありません。マイルドなしなりで、硬さは感じませんでした。そして、切り返しからハーフウェイダウンまでの挙動はやはり『BLUE』や『RED』と非常に似ています。ほんの少し手元が軟かく、先端剛性が高いかな?という程度で、大きな差を感じませんでした。一方で、ヘッドの“戻り具合”が最も少ないので、ロフトが立って当たる分、『BLUE』よりもやや低い打ち出しになりました。左のミスを抑える特性が備わっていますが、右に抜ける感じもなく、方向性の良さが抜群です」(吉川)
『LIN-Q PowerCore WHITE』は、ヘッドが遅れて下りる分、手元を先行させながら叩けるフィーリングが強くなる。余分なスピンを抑える性能も高いため、吹け上がりで飛距離をロスしているゴルファーにも最適だ。
『LIN-Q PowerCore』3兄弟の試打比較を終えた吉川は、ヘッドの“戻り具合”と弾道で好みのモデルを選ぶべきと解説する。
「3兄弟はインパクト直前までのしなり方は似ていて、タイミングの取りやすさは共通しています。その中で違いが出たのはヘッドの“戻り具合”です。『RED』は手元よりヘッドが先行するので、打ち出しが高く、つかまりの良い球が打てます。一方で『WHITE』は手元よりヘッドが遅れて下りるので、ロフトを立てて当てやすく、中弾道・低スピンの強いボールが打ちやすくなっています。『BLUE』はちょうど中間で、手元とヘッドの動きに誤差がなく、タイミングの取りやすさはピカイチでした。自分のインパクトイメージに合うモデルを選べば、効率良くボール初速を出して、飛距離を伸ばすことができるはずです」(吉川)
さらに吉川は、『LIN-Q PowerCore』シリーズは、同スペックで違うモデルのシャフトを複数本持っておくのもおすすめと提案する。
「弾道傾向の明らかな違いがあるにも関わらず、同じタイミングで振れることは『LIN-Q PowerCore』の大きなメリットです。例えば、同じ『5S』で『Red』と『Blue』を持っておけば、調子の良い日はニュートラルな弾道の『Blue』、不調でつかまらない日は『Red』という使い分けが可能となります。インパクトの強い押し込みで飛距離性能も申し分ないですし、今までにない使い方でスコアアップに貢献してくれるシャフトです」(吉川)
新テクノロジーの採用で、しっかりしつつも、滑らかなしなりの感じられるフィーリングに進化した『LIN-Q PowerCore』。途中まで共通した振り感を持ちつつ、モデルによってドローからフェードへ弾道が変わる今までにない特性を持っている。飛びと方向性を向上させる上で、大きな武器となるシャフトであること間違いなさそうだ。
取材協力/4plus Fitting Labo & Golf Salon 撮影/相田克己 構成/田辺直喜