<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 最終日◇25日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇7036ヤード・パー72>
中島啓太は5週連続の最終日最終組入りで逃げ切りを図ったが叶わず。トータル22アンダーはプレーオフに2打及ばず、3位タイで終えた。「悔しさが強い。それ以外あまりないです」と苦い表情で、最終日のラウンドを振り返った。
「あまり得意な場所ではない」と苦手意識もあるピンがグリーン右サイドに切られている1番、2番をパーとしたが、最初にスコアが動いたのは5番。2打目をグリーン左手前の池に入れ、アプローチも寄せきれずとダブルボギーを叩いた。
「もちろんすごく悔やむんですが、ああいうのは何試合かに一発はあると思いますし、それくらいの感じで軽く受け止められました」と切り替え、6番ですぐさまバーディ。9番からは3連続バーディとして、「優勝争いに入れたので、精神状態は安定していた」とすぐさま首位に並んだ。だが、12番からはパー行進。スコアを伸ばしきれないまま、サンデーバックナインが進んでいった。
首位に2打差で迎えた16番パー5では、池に囲まれて浮島のようにもなっているグリーンをユーティリティで狙った。だが、ボールは左にこぼれてビーチバンカーにつかまった。シューズと靴下を脱いだ人生初の“ウォーターショット”は、60度ウェッジで脱出するも、またもバンカーにつかまり4オン。8メートルのパーパットを沈めてセーブしたが、今季2勝目はお預けとなった。
それでも、この選択に悔いはない。「これからの試合で、いつか行かなきゃいけないときがくると思う。刻んで取りこぼしてパーよりは、ああいうパーの方が成長できるんじゃないかな」と、大会3日目に誕生日を迎えたばかりの23歳は前向きにとらえる。優勝争いに位置する状況ではどんなリスクがあっても攻め続ける。「最終組で優勝争いをするというのは、本当に勉強になることが多い」と実感した。
中島は最終18番でパーパットを沈めると、“深いお辞儀”を見せた。「今週はギャラリーの方との距離が近い。ローピングも近くて、近くで応援してくれているのが伝わりました。それを実現してくれた選手会、準備に携わってくれた皆様に本当に感謝です。もう一回この感じでトーナメントをやりたい」と、感謝の想いが込められた一礼に、ファンからは大きな拍手が贈られていた。
次週は北海道で「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」(29日開幕)が行われる。5週連続のV争いによる疲労感を心配させないような、力強い眼差しで次の舞台へと向かった。(文・高木彩音)