<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 2日目◇8日◇茨城GC西コース(茨城県)◇6718ヤード・パー72>
ルーキーイヤーだった昨年、下部のステップ・アップ・ツアーで“賞金女王”になり、今季のレギュラーツアーで戦う22歳の大久保柚季が、初めて出場するメジャー舞台で才能の片りんをうかがわせている。
10番からスタートした前半は「チャンスも外したし、2つのボギー(14、15番)がもったいなかった」と悔しさを押し殺す9ホールだった。「ボギー2つは(パットで)パンチが入ってしまって」。元々、得意なパッティングは「届かなければ入らない」と強気が信条だ。
しかし、その“副作用”として、ときどきパンチが入ってしまうことがあるのは課題にもしている。「それが粗さです」ともいうが、昨年、下部でのパーオンホールの平均パット数は1位(1.7852)、今季も11位(1.8093)という数字を見ても、大きな魅力というのも伝わってくる。
ただ、1番でボギーを叩くと、そこから怒とうの反撃を開始。2番、4番、5番でバーディを積み上げると、終盤にはギャラリーを沸かせるプレーを連発した。ショートサイドに外したパー3の8番で8ヤードのアプローチを決めると、続く9番でも手前11ヤードからのアプローチを直接沈めるチップインバーディ2連発。これには本人も「逆に怖い。2つ続くのは怖さがある」と目を丸くする。
とはいえ、これは偶然の必然かもしれない。その理由は攻め方にある。「私は飛ばないので、難しいコースの時はウッドやユーティリティで花道を使って、寄せることを一番の目標にしている。きょうもほとんどピンまでではなく花道の距離までしか打っていない」。無理に狙って奥に外すよりも、上りのアプローチを残した方が、その後のプレーが楽になる確率が高い。「最終ホールも入っているし、ああいうラッキーも来るかもと思って回ってます」。実際にそれが実った。
メジャーのプレッシャーも「初めて出るし気負わないように」と、今はしっかりと封じ込められている。得意のパターで手が震えた時には、何も考えないように頭のなかで『チャーハン』と唱えるのがリズムを整える秘訣。「もともと“チャーシューメン”だったんですけど、パットだと“シュー”が余計で。それで“チャーハン”です」。思考を巡らせながら、初めてのレギュラーツアーを戦っている。
大の野球好き。なかでも推しているのは地元・大阪などを本拠地にするオリックス・バファローズだ。京セラドーム大阪が自宅から近いこともあり、小学生の頃、学校で配られたチケットをもらい観戦に行ったのが、そのきっかけだ。
「(結果速報を追うのは)いい息抜きになってます。部屋ではゴルフ以外のことをやることが多い。帰ったらゴルフのことは考えないようにしています」。このメリハリを本人は大事にする。オリックスは現在パ・リーグの首位を快走中。“オリ姫”にとっては、なによりの力になる。
2位と2打差のトータル5アンダー・単独首位で決勝ラウンドに進んだ。「スタートダッシュに成功したので、2日目は楽な気持ちで回れました」と肝も据わっている。昨年は下部ツアーながら3勝を挙げた。アンダーパーがわずかに8人という厳しい戦いでも、このまま最後までひた走る可能性を十分に秘めている。(文・間宮輝憲)
