<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 2日目◇8日◇茨城GC西コース(茨城県)◇6718ヤード・パー72>
2024年9月に第一子となる男の子のレオくんを出産。“ママさんゴルファー”として今年、本格復帰を果たしたテレサ・ルー(台湾)の表情は充実感で満ちている。
最終18番でボギーを叩き、トータル2オーバーでホールアウトしても明るい笑顔は変わらない。「きょうのパット数がやばいですよ! “22”って、グリーンに全然乗ってない(実際は21)。パーオンしたのは5回!」。ただ10メートルを決めた3番など、そのうち3つでバーディを奪っている。
昨年は「体力とか、全身が一体じゃない、バラバラみたいな」とコンディションが整わず、出場したのは10月に行われた「日本女子オープン」(予選落ち)のみ。だが今年はこれが7試合目と、ペースは一気に加速している。メジャー大会での厳しい戦いも「セッティングが難しくて、やりがいがある。グリーンも硬くて、最近はなかなかない」と楽しんでいる。
現在のゴルフとの向き合い方を聞くと、意外な言葉が返ってくる。「ゴルフがメーンです。父と母が台湾で面倒を見てくれているんです」。競技に集中できるよう、家族が全面的にサポートしてくれている。子供とのテレビ電話は日課。試合が終われば、こまめに故郷に戻り愛息と会える時間が楽しみだ。
そのおかげでトレーニングもはかどり、38歳ながら今も飛距離も伸びているという。今季のドライビングディスタンスを見ても、248.69ヤードで10位につけている。「真っすぐは飛ばないけど」と笑うが、筋力も含め出産前の状態に戻す努力を継続中。「勝ちたい」という思いは、尽きることはない。
現在ツアーでは子育てをしながらプレーを続ける選手も増えており、その姿も刺激になっている。「出産したら終わりというのは違うというのを見せたい。親にサポートしてもらっているし、しっかりやらないと。一ノ瀬(優希)さんとか、戻ってきている。そういう姿を見ると、しっかりやらないとって思いますね」。そんな言葉を証明するためにも“1勝”が欲しい。
14年の「日本女子オープン」制覇にはじまり、「LPGAツアー選手権リコーカップ」(14、17年)、「日本女子プロ選手権」(15年)とこれまでに国内4大メジャーのうち3つのタイトルを手にしてきた。この試合で勝てば生涯グランドスラムを達成する。「無理だよ~」と言って笑うが、2日を残し首位と7打差の18位。何が起こるかは分からない。15年の日本女子プロ選手権で勝った時にリーチがかかってから11年。重かった扉を再び開くための戦いも続く。
「ブランクもあるので試合勘はこれから。今週はちょっとよくなったけど、まだすごく緊張もする。メンタルもそうだし、いろいろなゴルフでスコアにつなげないといけない。どうやってコントロールするか」。このあたりが今の課題。「少しずつまとまってきた!楽しいよ」。ここから新たなキャリアを築きあげていく。(文・間宮輝憲)
