<中日クラウンズ 最終日◇3日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知県)◇6557ヤード・パー70>
3打差を追ってスタートした堀川未来夢が7バーディ・ボギーなしの「63」を叩き出し、トータル16アンダーで4年ぶりのツアー5勝目を飾った。2019年末からパッティングのイップスに苦しみ、その影響が1Wにも出ているが「隠し方がつかめてきた」。今季の目標である年間王者に向け、早くもポイントランキング1位に浮上した。
1打リードで迎えた18番パー4に、イップスの苦しみと堀川なりの対策が詰まっていた。4日間で1Wを使ったのは8回ほど。どうしても使わなければいけない場面以外では封印してきた。「ボギーでも勝てるなら3Wだったんですけど、(2位の)細野(勇策)が1Wでフェアウェイに打ったらバーディもある。このフォローで1Wを持てなかったら、今後持てるところがないと思いました」。
アドレスの感触で右手が悪さをするのは分かっていた。ターゲットは左バンカーの左。「左には絶対に反応させない。自分で右に反応させるように打ちました」。意を決した一打は左ラフとはいえ、十分にグリーンを狙える位置に止まった。
2打目をピン手前7メートルに運んだが、次はイップスに苦しむパッティングが待っている。この日も本来の打ち方であるノーマルな順手、右手の親指と人差し指を離した順手、クロウなどさまざまなグリップを使って乗り切ってきた。
優勝争いも大詰めのしびれるパッティング。だが、リーダーズボードを確認すると、細野がスコアを落とし、リードは2打に広がっていた。「バントのサインが出ましたね(笑)」。バーディパットは狙い通りに30センチショートしてパーセーブ。まだ克服したわけではないが、イップスと付き合いながらの優勝を決定づけた。
堀川は43万人の登録者を持つYouTuberという顔も持つ。前日には練習ラウンドで木下稜介とともに撮影した動画をアップした。テーマは2打リードで迎えた最終日、16番からの3ホールをどう攻めるか。
「13番でボードを見た時に3打リードしていたんで、YouTubeの通りになりそうな感じはしていました」。実際に残り3ホールを2打リードから逃げ切り、前日の動画は見事な予言となった。
今季は年間王者を強く意識している。「今の男子ツアーのシステムは毎年、上位の選手が海外に行っていなくなる。毎年、金谷拓実や中島啓太、チャン・キムとか、すごい選手が何人もいる中で争わなきゃいけないんですけど、今年はそういう選手が少ないというか、チャンスがあるなと思っています」。そのうえで、ライバルとなる今年の王者候補に蟬川泰果、今平周吾、そして動画を一緒に撮影した木下の名を挙げた。
「1勝じゃ足りないんで、2勝、3勝、アベレージも大事になるんで、どの試合も上位フィニッシュできるように頑張ります」。昨年までは賞金ランキングで年間王者を争っていたが、今年からポイントランキングに移行。堀川は初代王者としてその名を刻むつもりだ。(文・田中宏治)
