<横浜ミナトChampionship 〜Fujiki Centennial〜 初日◇8日◇横浜カントリークラブ(神奈川県)◇7207ヤード・パー71>
国内男子ツアーは灼熱の戦いが開幕した。舞台となっている横浜カントリークラブ(神奈川県)の所属プロ、53歳の野仲茂が7バーディ・1ボギーの「65」をマーク。6アンダーの3位タイ発進を決めた。
「きょうはもう応援団がね、地元なので応援に来てくれるひとたちがたくさんいたので、メンバーさんなり、家族なり、友達なりね。その後押しがあってけっこう良かったです」。横浜出身の野仲の応援にかけつけたひとたちは「30人ぐらいかな」と大応援団。その応援が力となり「つられてショットも良くて、パターも入ってって感じだった。普段ラウンドしているとき以上の実力が出てしまったので、もう大満足ですね」と満面の笑みで振り返る。
さらに、今週の相棒は息子の勇羽(ゆう)さん。慶応大学の1年生で、ゴルフ部に所属しており、初の親子タッグが実現した。高校時代はテニス部だったが、部活引退をキッカケにゴルフを始めて、いまは「すごい熱中している」とのこと。こうして一緒にツアーに出られたことには野仲も「うれしいですね。こうなるとは思っていなかったので」と口元が緩む。「別にプロを目指すわけではないけど、ゴルフってこういう感じだよって見せられたらいいかな」と父親の眼差しで勇羽さんをチラチラと見ながら、少しばかり誇らしげだ。
横浜CCは研修生時代を含めて約35年間所属しているホーム。「コースを知っているからいいというのももちろんあるんですけど、それ以上に怖いところも知っている。いいのは忘れるけど、怖いのって覚えているもの(笑)」とコースを知り過ぎているからこその落とし穴も見えてくる。そんな中でも落ち着いて18ホールを回れたのは、キャディや応援のおかげだ。
そんな援軍がいるからこそ、目指すは日曜日まで戦いきること。昨年大会は2日目にスコアを崩して決勝ラウンドに進むことができなかった。「もうなんとか4日間やりたいかな。たぶんもうシニアで体力がないけど(笑)。貯金を使い果たさないように明日やっていきたい」とまずは予選通過を目標に挑んでいく。父親として、プレーヤーとして、ホストプロとして、最後までカッコいい姿を見せたい。(文・高木彩音)