<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日◇10日◇茨城GC西コース(茨城県)◇6718ヤード・パー72>
姉がメジャー女王になる姿を、しっかりと見届けた。大会を制した河本結の弟・力は急きょ、この日の朝にコース入り。1番から18ホールを歩いて、声援を送った。「母に誘われていなかったら来てなかった」と笑うが、この観戦は大きな刺激にもなったようだ。
スタート前。弟が会場に来ることを知らなかったきょうだいが顔を合わせると、姉のリアクションは『あ、力ちゃ~ん』とリラックスしたものだった。いい意味で力が抜けている姿に、弟は「そこにも強さを感じました」と感心したという。そして「グッドラック」という言葉とともに、コースに送り出した。
「すごい余裕があるように見えましたし、いい選択ができていた。あのイーグル(5番のチップイン)の3打目も神がかっていましたし、攻めたところで結果として返ってきていたので“勝つだろうな”と思いました」
姉の強さを間近で見る時間にもなった。「連続ボギー(13、14番)で苦しそうになっていた時、鈴木愛さんが追い上げていたのを僕も把握していた。彼女自身、プレッシャーに感じていたと思うけど、そこで17番、18番でバーディを取って、メンタル的、技術的なところもすごい」と称賛する。
オフには一緒に練習をする仲良しきょうだい。調子が悪い時もお互いにアドバイスを送り合う関係だ。だが、まず湧き上がった感情は刺激よりも喜び。「シンプルに家族としてうれしい。母親が喜んでいる姿を見られたのもうれしいし、すごい親孝行をしているなって姉から感じた。18ホールを歩いて一緒に応援できたのもよかった。いい母の日でした」と、自然と笑みがこぼれる時間だった。
自身も2022年に2勝を挙げ、一躍、トップ選手の仲間入りを果たした。今季も平均飛距離314.99ヤードを誇り、同部門3位につける男子ツアー屈指の飛ばし屋である。ただ、その2勝以降は丸3年間、優勝から遠ざかっている。今季は開幕から2試合連続で予選落ちを喫したが、「前澤杯」15位、「中日クラウンズ」6位と徐々に状態も上がっている。
姉は「18ホール歩いてくれた。すごく優しいし、愛が伝わってきました」と弟の前でプレーできたことを喜んでいた。そして「刺激になったり、自分の優勝争いに、いいイメージがついてくれたらいいなと思います」という期待も口にする。
弟は、姉のことを「ストイックにやれるし、総合力もすごく高い選手だと思う。耐えるゴルフができるところなども強い」と評した。男子ツアーは21日から、今季最初のメジャー大会「日本プロゴルフ選手権大会 センコーグループカップ」(蒲生ゴルフ倶楽部/滋賀県)が行われる。「僕もゴルフの状態はいい。今週も試合をしたかったくらい」と、“きょうだいメジャー制覇”を目指していく。
「おめでとう、としか言えないですけど、勝ち切ったのが素晴らしい。(姉は)年間女王を目指していると言っているので、僕も負けずに年間王者になれるよう早く優勝して、一緒に年間王者になれるように」。家族であり、切磋琢磨の関係とあって得るものも多い。女子のメジャー会場で、また今後への気持ちを強くした。(文・間宮輝憲)
