<Sky RKBレディスクラシック 初日◇15日◇福岡雷山ゴルフ倶楽部(福岡県)◇6490ヤード・パー72>
雄大な大地が広がる北海道出身だが、今大会のようなアップダウンのあるトリッキーなコースは嫌いではない。苦にしないというより、むしろ得意。18ホールの自己最多となる8バーディ(3ボギー)を奪った政田夢乃が「67」で回り、首位と1打差の3位につけた。
「少しトリッキーなコースが好きです。距離は短いので、アイアンでセカンドを打つことが多くなる。自分の強みが生かせるコースだと思っています」
ジュニア時代は札幌市内の標高約1000メートルの手稲山の山麓にあるゴルフ場が練習拠点だった。1972年の札幌冬季五輪のアルペンスキーなどの会場にもなった場所にあるコースで汗を流し、成長してきた。
「小中学校のときは学校が終わってから薄暮プレーで回っていました。スキー場と一緒になったコースで、アンジュレーションのあるライから打ったりするときに、あのころの経験が生きています。私は山で育ったので」
故郷とは遠く離れた九州・福岡が今週の舞台だが、手稲山と同じような丘陵地コース。夏を思わせる汗ばむ暑さも心地いい。9番パー4では2打目をピンそば1メートルにつけるなど、前半だけでバーディ5個を量産した。後半はボギーを3つ打ったが、バーディも3個決めてパープレー。2オンに成功した最終18番パー5は3パットのパーと惜しくも首位発進は逃したが、「2打目はグリーンエッジまで残り235ヤード。乗るとは思わなかったので…」と悔しさはなかった。
2023年11月の最終プロテストに合格し、ツアー参戦3年目の今季は“ゴルフIQ”もアップしている。昨年のこの大会は初日の15番でティショットを左にOBしてダブルボギーをたたいた。左ドッグレッグのパー4。「記憶にない。あまり打ったことがない」というOBを教訓に、この日の15番は「距離が残ってもいいから刻むと決めていた」と、ティショットは7番ウッドでフェアウェイに置いた。2打目は7番アイアンでグリーンに運び、注文通りのパーセーブ。安全策に徹して“鬼門”を突破した。
前週の国内メジャー初戦「ワールドレディスサロンパスカップ」は初日に自己ワーストタイの「80」を叩いた。2日目は「73」と粘ったが、トータル9オーバーで予選落ち。そんな苦い記憶は笑って消去し、今大会に臨んでいる。
「先週のことは忘れました。風が強すぎて私には手に負えないくらい難しかった。一回忘れようと…。今週は新たな気持ちでやっています」
初優勝に挑む週末の2日間。計測ホールの11番パー5では2位タイの278ヤードをかっ飛ばすなど、この1年で飛距離も大幅に伸びた154センチの小さな飛ばし屋が、ムービングデーの2日目に歓喜の瞬間を迎える準備を整える。(文・臼杵孝志)
