<シェブロン選手権 初日◇23日◇メモリアル・パークGC(テキサス州)◇6811ヤード・パー72>
最終18番、フェアウェイにあった西村優菜のボールには泥がついていた。「カットめに入れたけれど、右に泥がついていたから、どうしても左に行ってしまった。半分しょうがないです」。2打目はショートサイドのアゴの高いバンカーにつかまり、カラーからピンまではわずか3ヤードというピンチを迎えた。
左足上がりのライではないため、ボールは上げづらい。「いろいろ考える前にイメージだけ出して打とうとしたのがよかったです」。ここを2メートルオーバーに“収める”と、今大会に帯同する中島敏雅コーチはロープの外から拍手。最難関ホールをパーでしのぎ、1バーディ・1ボギーの「72」と粘った。
2024年にはサンドセーブ率1位(62.24%)に輝いた“砂の女王”。実は今週、ウェッジに微調整を施した。「スピンをかけにいったときに、バンスが弾いて飛んじゃうことがあった。最後も難しい状況だったけれどスパッと抜けてくれました」。コーチと相談しながらキャロウェイ『OPUS』の58度ウェッジのソールを絶妙に削り、地面から弾かれにくくした。
身長150センチで6811ヤードのモンスターコースに立ち向かったが、なかなかバーディチャンスを作れず。「けっこうストレスが溜まるゴルフでした」と振り返る。12番までパー行進。上位の難度を誇る11番パー3(実測184ヤード)は「ちょっと低めには打ったけれどだいぶ(風に)戻されて…」と5番ウッドで手前に外したが、2.5メートルを決めてのガッツパーだった。
「バーディが欲しかったけれどそこまで悪い流れではなかった」と終盤に入る。すると17番でご褒美だ。手応えのあった2打目の直後に突風が吹き、ボールは手前のカラーへ。だが12メートルを流し込むスーパーパットを決め初バーディ。疲れた表情が少しだけほころんだ。
ホールアウト後、あることに気づいた。「ウッド、ウッド、ウッド…。アイアンを一回も持っていない!」。計8ホールあるパー4で、グリーンを狙う2打目はすべてウッドだった。「必死すぎてあまり考えていなかった」と笑う。
それでも、その長いクラブでピンを狙えることこそが武器。タフなメジャーセッティングでピンを狙えているのは、昨年不振だったショットに確かな感触が戻ってきた証でもある。開発にも携わった7番、9番のショートウッドも自信を持って振れている。
「自分の強みとして出てくれればもっと良くなる。飛ばし屋は(スコアが)伸びると思うけれど、自分ももう少し調整したら、いいショットが打てる」。耐えた一日を評価しながら、あすに目を向けた。(文・笠井あかり)

