<大王製紙エリエールレディス 事前情報◇13日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>
今季の国内女子ツアーも、いよいよ残り2試合。ただ、次週の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」(21~24日、宮崎・宮崎CC)は今季優勝者とメルセデス・ランキング(以下、MR)上位者の計40名しか出場できないため、多くの選手にとってはここが“最終戦”となる。そして、この大会で決着がつくのがし烈を極めたシード争い。ここが大注目ポイントになる。そこで大会開幕前に、改めて、その現状をチェックしておこう。
その前に基本情報を簡単におさらいすると、シード=翌年のフル出場権(一部大会を除く)のこと。国内女子ツアーではMR50位までの選手が、その権利を手にできる。精鋭が集まるプロツアーにおいてトップ50は、いわば“一流の証”ともいえる。そして51~55位で終えた選手は、来年の第1回リランキング(優先出場順位入れ替え)までの出場権が手に入る。そのため、この後に待ち構えるQT(予選会)は回避できるが、来年のスタートから結果を残す必要がある。
では本題に入ろう。まず、現在、初シード圏内にいるのが4人。MR31位の鶴岡果恋、同33位の小林夢果、同34位の小林光希、そして同47位のウー・チャイェン(台湾)だ。このなかでチャイェンは455.18ptで最も50位に近い位置にいる。それでも昨年の50位ライン(446.01pt)は突破しており、余程、大きな変動がない限り圏内は守れそうだ。
そして、現在ボーダーライン上の50位にいるのが、2018年以来のシード復帰がかかる木戸愛で、累計ポイントは433.21pt。つまり、これより下位の選手たちは、最低でもこのポイントを上回る必要がある。木戸としても、絶対に抜かれたくないというプレッシャーがかかる位置だ。
続いて51~55位の選手には、山内日菜子(426.58pt)、仁井優花(412.82pt)、岡山絵里(405.03pt)、佐藤心結(402.17pt)、笠りつ子(401.17pt)がいる。ただこのなかで山内と佐藤は、今季レギュラーツアー優勝を果たしているため、来年1年間の出場権は保障されている。一方で仁井、そしてツアー通算6勝の実力者・笠はシード喪失の危機に立たされており、是が非でも、ここで大きくポイントを上積みしたいところ。
さらに国内を主戦場にしながら56位以下でQT行きのピンチが訪れている今季のシード選手には、56位の内田ことこ、65位の宮里美香、66位の後藤未有、67位の小滝水音、78位の菅沼菜々、79位の濱田茉優、84位の永井花奈がいる。なお69位の永峰咲希は25年まで有効の複数年シードを行使済み。93位の福田真未は今季開幕前に試合数を減らす意思を表明し、実際ここまで11試合の出場にとどめている。
例えば、累計397.73ptの内田がシード死守を果たすには、最低でも35.48pt以上を上積みすることが必要になる。今週は4日間大会のため、それを満たすのは36ptが入る単独18位以上。ここが最初の目安になる。これが昨季2勝を挙げながら今季不振に苦しんできた菅沼(212.78pt)になると、50位との差は220.43ptまで広がる。単独2位でも180ptしか得られないため、シードを守る手段は“優勝”以外にない。
では、昨年のプロテストに合格したルーキーは、どうだろう? 現在、圏内にいる選手はゼロ。最も近いのが61位の政田夢乃(349.24pt)だ。50位との差は83.97ptのため、初シードには90ptが加算される単独5位以上が最低条件になる。64位の菅楓華(307.10pt)は単独3位以上。68位の髙木優奈(251.58pt)は優勝のみを目指すことになる。
上記してきたことは、あくまでも目安。他の選手の結果が絡むため、最低条件はあくまでも“最低”でも目指すべき指標でしかない。また同じ順位に並ぶ選手の数によっては、単独でなくてもいいケースがでてくるが、それも計算が立たないこと。選手たちは、出場する以上みな“優勝”を一番の目標にプレーする。
【シード争い動向(MR)】
45位:柏原明日架 476.36pt
46位:上田桃子 465.38pt ※ツアー休止を表明
47位:ウー・チャイェン 455.18pt
48位:臼井麗香 444.00pt ※今季優勝者
49位:新垣比菜 436.26pt ※今季優勝者
50位:木戸愛 433.21pt
・・・・・以上がシード入り・・・・・
51位:☆山内日菜子 426.58pt ※今季優勝者
52位:☆仁井優花 412.82pt
53位:岡山絵里 405.03pt
54位:☆佐藤心結 402.17pt ※今季優勝者
55位:☆笠りつ子 401.17pt
・・・・・以上が来季前半戦・・・・・
56位:☆内田ことこ 397.73pt
57位:宮田成華 387.01pt
58位:藤田かれん 372.41pt
59位:宮澤美咲 368.59pt
60位:工藤遥加 361.43pt
61位:政田夢乃 349.24pt
62位:三ヶ島かな 323.64pt ※複数年シード保持
63位:沖せいら 310.52pt
64位:菅楓華 307.10pt
65位:☆宮里美香 288.58pt
66位:☆後藤未有 282.52pt
67位:☆小滝水音 269.05pt
68位:高木優奈 251.58pt
69位:☆永峰咲希 236.81pt ※25年までの複数年シード行使中
70位:☆吉田優利 235.63pt ※米国ツアー参戦中
(☆は今季シード選手)