<ブリヂストンレディス 事前情報◇19日◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)◇ 6732ヤード・パー72>
注目ルーキーにとって、レジェンドからの言葉は苦しい時間を乗り越えるための“薬”になるかもしれない。18歳の伊藤愛華は、契約を結ぶブリヂストンが主催する大会を前に貴重な時間を過ごした。
21日の開幕を2日後に控えた会場に、こちらも同社と契約する日米通算24勝の宮里藍が訪れ、若きアマチュアやプロと会話を交わす『次世代ゴルファートークセッション』に参加。そこにいた3人のプロのひとりが伊藤だった。
「とてもいい時間でした。初戦に比べると、だいぶゴルフの状態も上がってきたけど、それがなかなかスコアにつながっていない。スコアを作ってくうえでどういうことを意識すべきか、何をイメージして練習されていたのかを質問しました」
埼玉栄高3年時に受けた昨年のプロテストでトップ合格。QTでも16位になり意気揚々とレギュラーツアーで開幕を迎えた。しかしここまで9試合の出場で、予選通過は36位で終えた「ヤマハレディースオープン葛城」の1試合のみ。“プロの洗礼”を浴びている。
そんなタイミングで、このセッションに参加することができた。伊藤にとって、宮里の現役時代は幼少期の思い出とも言える。「父がテレビでよく見ていて、“藍ちゃん、藍ちゃん”って言っていたことを覚えています。『藍ちゃんみたいになるんだぞ』と言われて育ちました」。そして、気がつくと「憧れの存在」に。「私の名前にも漢字は違うけど“あい”が入ってますし」と話す表情も誇らしげ。それだけに、その言葉は心にしみた。
「スイングのことを考えずに、打つことに集中するということを教えていただきました。スイングばかり意識しても、いい球にはつながらない。スコアを作るうえでは、どういう球を出したいのかとか、現状の曲がり幅に合わせてどこを狙うのか。そういうところに意識を向けた方がいい、と」
1年前はプロテストについて質問したことを覚えている。1次、2次、最終と勝ち抜かないといけないテストだが、どうしても意識は最終を突破することにいきがちだった。だが、ここで『1次、2次を通らなければ最終には行けない』というアドバイスを受け、“それぞれが別の1試合”と考えることの大事さを学んだ。その教えを胸に見事に合格。プロになったことを報告すると、『自分の実力で受かったんだから』という言葉をかけられたことにも感激だ。
他の選手の質問、そしてそれに対する回答も参考になった。「100ヤード以内の練習方法を聞かれた時に、100ヤードピッタリのクラブだけでなく、違う番手で100ヤードを飛ばす練習をするといいというアドバイスもありました。3日目に考え方が変わってスコアを落としてしまうというのには、大きい目標だけでなく、小さい目標を立てて、それをやり切るとか、私も同じなので自分で質問したような気持ちで聞いていました」。すべてが勉強になる時間だったようだ。
今週は、初めてホステスプロとして臨む試合。昨年は「74」、「75」という成績で予選落ちしており、ここでの活躍は成長を実感する機会にもなる。「だんだん調子は上がっているからこそ頑張りたい」。プロの舞台で活躍する姿を見せることが、なによりの恩返しになる。(文・間宮輝憲)
