<ブリヂストンレディス 事前情報◇19日◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)◇ 6732ヤード・パー72>
米国女子ツアーを主戦場にするメジャー女王が、スポット参戦する日本ツアーの会場で“秘密兵器”をテストする姿をキャッチした。古江彩佳の手に握られているのは真新しいアイアン。これは契約するブリヂストンの未発表モデルと思しきキャビティアイアンで、これまでにも男女ツアー会場でテストをする選手たちの姿が目撃されてきたが、先週の土曜日に古江も初めて試してみた。
すると、その性能に驚かされたという。これまでカーボンシャフトを使用してきた古江だが、スチール製のものを挿すことで、機能が最大限に発揮された。「出球が安定する。やわらかさが出ていい感じ。最初は、自分のスペックではないクラブで打ったけど。それでもまとまりがあった。自分のセッティングにしたら、さらによくなると思い試したいとお願いしました」。そしてこの会場で“古江モデル”を手にすることができた、というわけだ。
正確なショットを武器にチャンスを演出する古江にとって、アイアンは生命線ともいえるクラブ。それだけに、こだわりも強い。古江らしい“哲学”が伝わってきたのは、アイアンを選ぶ際のポイントを聞いた時だった。
「クラブを選ぶ時は、高さではなく左右の打ち出し角度を大事にしています。もちろんボールが上がって、距離も飛べばうれしいけど、左右のブレや、曲がり幅を一番気にしています。私は基本ドローヒッターなので、“1分”に飛ぶことを目指しています。(飛球線を時計に見立て)まっすぐ飛ぶのが“12時”だとしたら、(少し右の)1分くらいの位置から出てくれるのがうれしいし、ベストな状態。1分を目指し、あとは軽いドローで(戻す)」
この新しいアイアンについては、「(使用を)前向きに考えているし、今週からいきなり使いたいくらい、いいです。すぐに試合でスチールに替えるのに勇気がいるので、それでもう少し練習してからになりそうですが、(早く使いたい気持ちは)あります」と断言。すなわち“1分単位”でのコントロールができることを認めたとも言える。
メジャー大会「アムンディ・エビアン選手権」を制した2024年には、日本選手として初めて米ツアーで平均ストローク1位の称号『ベアトロフィー』も獲得。しかし、昨年は未勝利に終わり、今季もここまでトップ10入りが、9位になったシーズン開幕戦の1試合のみという戦いが続く。そのため日本に滞在している間に、メーカーとコミュニケーションを図り、現状打破に向けての取り組みもしっかりと行っている。
スチールシャフトのアイアンを投入すれば、中学生以来だという。アマチュア優勝や日米での勝利をともにした慣れ親しんだカーボンシャフトを変更してまでも、このアイアンを使ってみる価値はある。「高さが欲しい」という6、7番のロングアイアンのネックには『200CB+』、そして8~PWには『100CB』という刻印がされている。「やわらかく感じて、一段高い球が出たのはメリット。止まりやすくもなりそう。ロングアイアンは難しさが出るけど、それを助けてもらえるようなすごく楽に使える感覚がある」と、高評価の言葉は止まらない。
そしてとどめの一言が「惚れました!」。今週、さらに米国に戻っても、少しでも早く手に馴染ませるための作業が続きそうだ。カーボンからスチールへの移行をスムーズに行い、この“意中”のアイアンとともに戦いたい。(文・間宮輝憲)
