青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、好調な選手や注目選手の強さのヒミツを解説、女子ツアーでの流行など現場からのホットな情報をお届けする。今回は先週の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」でメジャー初優勝を飾った河本結の練習を拝見した。
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2024年の「NEC軽井沢72ゴルフ」では5年ぶり2勝目となる復活Vを遂げた河本。昨季は年間2勝、そして今季は国内メジャー初制覇と年々強さが増している。大西コーチは「23年ぐらいまでは、上半身が強く腕に頼るスイングの印象でしたが、24年以降は下半身主体のスイングに変わってきています。重心の位置が上から下になったことで、調子が上がってきたと思います」とスイングの変化が大きいと見ている。
河本の練習を見ると、開始前の素振りやウェッジを振る際などには、足にボールを挟んでスイングをしている。「1キロぐらいの柔らかいボールです」(河本)と、足に挟むのにちょうどいいサイズである。
ボールを挟んで打つ効果について大西コーチが解説する。「スイング中に両ヒザの高さが変わりにくく、体の中心、軸を感じられます。下半身に張りを感じて力が入った状態になり、上体の力が抜けてしなやかに使え、下半身はグッと踏ん張りを効かせることができます」。下半身主導、軸を意識するのに最高の練習だという。
河本が持ち球のパワーフェードを打つためにも効果が大きいという。「下半身の粘りがあることで、余計な体の開きを抑えられます。体が早く開くとスライスになってしまいますが、インパクト時の胸の開きを抑えることでつかまったフェードが打てます。それを体現した練習方法です」
メジャー初制覇を遂げた際に河本は、スイングについて「体にすごく意識を向けています。自分の軸、体の中心をとらえることを意識してやっています」と話した。ボールを挟むこともその一環だ。
「アマチュアの方もボールを挟んでアプローチぐらいの小さい振り幅で試すと下半身の粘り、軸の感覚がつかめると思う」と大西コーチ。軸がブレる人、スライスに悩む人は試してみるのも良さそうだ。
■解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務め、24年からは安田祐香のコーチングも行っている。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。大西翔太プロデュースの練習器具「Sho_izm(ショーイズム)」シリーズ(朝日ゴルフより全国のゴルフショップにて販売中。豊富な知識を生かして、今年はテレビ解説も行うなど活躍の場を広げている。
