<資生堂 レディスオープン 3日目◇29日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)◇6697ヤード・パー72>
アマチュアの荒木優奈が5バーディ・1ボギーの「68」をマークし、首位と2打差のトータル7アンダー・4位タイと優勝戦線に浮上した。
「ティショットは一日を通してよかったんですけど、アイアンがずっと左にしか行けなくて、左に行かないような打ち方をしようと思ってもずっと左に行って…」とラウンド中、試行錯誤して修正しようとしてもしきれず苦しんだ。しかし、「本当にパターが良くて」と好調なパッティングに救われた。
スタートの3ホールあたりでは「80を打っちゃうんじゃないかな」と思うほどの調子だったが、バックナインの残り「4、5ホール」でやっとアイアンの方向が落ち着きを取り戻し「見えたかな」と最終日につながるショットを打つことができたようだ。
荒木は昨年大会も出場しているが、決勝ラウンドに進めていない。「今年の目標はとりあえず予選通過だったので、1個のボギーでも全然焦らなかったです」と初日を3アンダー「69」と貯金もあったことから気持ちに余裕は持てていた。コースも知っていたこともあり、攻略もある程度できていた。しかし、今年は去年よりもコース全体の総距離が92ヤード長くなっている。「なんかそれでも長いなって思わない」。それは「飛距離が伸びた」からだった。
2週間前にあった「日本女子アマチュアゴルフ選手権」に出場していた荒木がそのときに行っていた「屋根がない練習場」でスイングをしていると、開放感を感じて「めちゃボンボン振っていたんです。そしたらなんか伸びたみたいな(笑)」と予想外の理由で飛距離アップ。さらに同組だった選手が飛ばし屋で「意識はしていない」はずなのに、つられてスイングスピードが速くなっていたという。「気づいたら飛んでいるみたいな」と平均240ヤードぐらいだったのが「260ぐらい」まで伸びていた。
しかし日本女子アマのときは、「想定しないところまで飛んじゃって、突き抜けてトラブルとかがあって、かみ合わずに終わってしまった」といつもよりも飛んでしまうことがミスの原因となり、結果は112位タイで決勝ラウンドへ進めなかった。今週は「ある程度自分の飛距離を把握できているので、ティショットでの大きなトラブルはあまりないです」と進化した自身の飛距離に合わせてスコアメイクができている。
首位とは2打差で迎える最終日。これまでローアマは2度獲得しているが、“アマV”は経験をしたことがない。「めっちゃ攻めたい気持ちもあるのですけど、2日間は手前からというテーマ」で予選ラウンドを良い位置で終えていることから「危険なゴルフじゃなくて、手前から安全にチャンスが来たら入れる」ということをテーマに、3度目のベストアマ…いや、自身初のアマチュアVを狙って行く。(文・高木彩音)