<日本プロゴルフ選手権 センコーグループカップ 3日目◇23日◇蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀県)◇6991ヤード・パー72>
10メートルのパットを沈めると、左手で力強くこぶしを握った23歳の細野勇策。最終18番パー5をバーディで締めくくり、トータル13アンダーで首位に立った。
この最後のパットは、最終日に最終組で回ることを意識した一打でもあった。「3パットしてしまうと、たぶん最終組から外れる」と、無理にねじ込むのではなく、「しっかり寄せて2パットで行こう」という気持ちで臨んだ。
しかし、カップ付近まで届いたボールは一度止まりかけたものの、最後はゆっくりと転がってカップイン。「すごくいいストロークはできたので、それが結果に繋がってくれて、すごくいい終わり方ができたと思います。トップタイからスタートできるのですごく楽しみです」と笑顔を見せた。
この日は曇天のなか、風向きが目まぐるしく変わる難しいコンディション。目を開けにくいほどの突風が吹いたかと思えば、急に弱まる場面もあった。強いフォローの風が吹いていた17番では、ピン右1.5メートルの下り、左に曲がるラインが残り、細野に対して左からの風。下りで「強く打てない」状況のなか、ボールは「風で曲がってこなかった」とわずかにカップ右を通過。バーディを逃した。この日はグリーン上でも風の影響を受けやすかった。
それでも「パッティングはいい」と手ごたえを口にする。一方で課題に挙げたのは、フェアウェイキープ率。『28.571%(4/14)』にとどまったティショット。「その中でもきょうは耐えられたと思うんですけど、明日もこの感じだとなかなか難しいと思うので、修正して挑めたらいいなと思います」と、最終日に向けて調整への意欲を示した。
細野は昨年大会でも土日に最終組で優勝争いを演じたが、1打差で迎えた最終日に「73」と伸ばせず9位に終わった。悔しさを味わった舞台でリベンジのチャンスを手にした。「去年の日本プロもそうですし、今年の中日クラウンズ(首位で最終日を迎え2位で終えた)も、すごく悔しい思いをしているので。そろそろ頑張りたいと思います」と強いまなざしを向けた。
2022年にプロ転向し、翌年からシード権を保持するレフティの23歳。初優勝が期待される若手の一人だ。「初優勝がメジャーだったらすごくいい」と意欲をのぞかせる。
細野が今大会を制すれば、日本人レフティとしては1991年の「ダイドードリンコ静岡オープン」を制した羽川豊以来、35年ぶりの快挙。さらに、日本タイトルでの初優勝となれば、昨年大会の清水大成以来、史上31人目となる。
なお、キャディを務める江﨑楓さんとは、昨年大会からタッグを組み、ともに優勝争いを経験。“二人三脚”で悲願の初優勝へ、リベンジに挑む。(文・高木彩音)
