<日本プロゴルフ選手権 センコーグループカップ 初日◇21日◇蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀県)◇6991ヤード・パー72>
QT625位の44歳・西村匡史が、地区予選会を突破して出場した4年ぶりのメジャーで好スタートを切った。降雨でコースコンディションが悪化する中、8バーディ・2ボギーで自己ベストタイ「66」をマーク。6アンダー・6位につけた。「できすぎですよ」と笑みを浮かべながら、初めての囲み取材に応じた。
「初めての経験をさせてもらいました。スポンサーの方やお客さんにもいい報告ができますね」と照れ笑い。ただ、報道陣から『まだ初日ですよ』とツッコミが入ると、周囲は笑いに包まれた。
インからスタートしてボギー発進となったが、11番でバウンスバック。さらに4つ伸ばして迎えた後半4番で再びボギーを喫し、「流れが悪くなるかなと思っていた」という。それでも6番パー5でチップインバーディを奪うなど、「ピンチの場面で踏ん張れた」と振り返った。
レギュラーツアー出場は2022年の今大会以来。1998年「三菱ギャラン」にアマチュアとして出場したのを含め、これが30試合目となるが、予選通過はわずか5回。プロ18年目で生涯獲得賞金は159万1203円にとどまる。
現在は栃木県鹿沼市でレッスン活動を行いながら、競技生活を続けている。「一度は試合に出られなくなった。シニアはまだ早いですけど、なんとかかじりついて、下部ツアーでもいいので出続けて、また頑張っていきたい」と前を向く。
好調の要因の一つが、息子とのトレーニングだ。栃木県のエイジェック高に通う高校球児の息子とともに、今年から本格的に体を鍛え始めた。ジャンプトレーニングなどを行い、息子と一緒に汗を流すことで「刺激」を受けている。
優勝は2012年の下部ツアー「大山GC・JGTOチャレンジIII」での1勝のみ。レギュラーツアー初優勝、そして初のシード権獲得へ。大きなチャンスが“大舞台”で巡ってきた。
「久しぶりの日本プロですし、最初から優勝争いをしてやろうとは思わない。若い時はちょっと頑張ったほうがいいと思いましたけど、今は本当に楽しもうと、心から思えている。変な焦りもなくできている」
ともに切磋琢磨する“仲間”でもある息子にいい報告を届けるために――。44歳の新たな挑戦がここから始まる。(文・高木彩音)
