<ブリヂストンレディス 初日◇21日◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)◇ 6732ヤード・パー72>
8度目の挑戦だった昨年のプロテストを突破し、ようやくたどり着いたプロの世界。27歳のルーキー・鳴川愛里は、これまでの“遅れ”を取り戻そうと、懸命にプレーを続けている。初日は2アンダー・12位タイ。これは取り組みが実を結びつつある証だ。
「まだ(転戦生活には)慣れてないしギリギリですね。大変だなって、実感しているところです。移動距離も長いし、ホテル生活もここまで長期間は経験したことがないので、ちょっと家に帰りたいなとか思ったり。でも頑張らないと」
プロゴルファーとしての生活を始めたばかりの選手たちが抱く気持ちをなんとか消化しながら、各地を周る日々を過ごす。QTランク45位で始まった1年目のシーズンは、デビュー戦の「ヤマハレディースオープン葛城」は決勝まで進んだ(結果55位)が、その後は4試合連続で予選落ちと“洗礼”を浴びている。
ただ、それにも前向き。「1カ月間の合宿だと思ってました。うまい人がたくさんいるので、技術はもちろん、考え方やマネジメントを見ながら勉強しています」。予選落ちしても会場に残って練習。そして配信映像で、上位争いをする選手のプレーから学ぶ。「先週の桑木志帆ちゃんとか、勝つ人は思いっきりがいい。私は考えてしまうタイプ。あまり考え過ぎないよう心がけています」。これが最近の気づきだ。
7バーディで、ボギーが5つという初日は「出入りが激しかったですね」と苦笑いも浮かべるが、「ボギーを気にせず気持ちよくプレーできました」というのがスコアにつながった。2メートルを沈めた13番から、同じく2メートルの14番、さらにチップインを決めた15番と3連続バーディ。「フェアウェイは狭いけど、あまりそこに置こうとか気負わず、振ることをテーマにしました」と、思いっきりのよさをしっかりと取り入れている。
1998年11月1日生まれの“黄金世代”。同学年にはツアーを引っ張ってきた選手たちがたくさんいる。岡山県出身で、同郷の渋野日向子とはジュニア時代から同じ試合に出場してきた「友達」だ。
4月「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」に渋野が出場した際、『同学年(の鳴川)が受かってうれしい。気になる』と話していたことを聞くと、「誰が見ても圧倒的に私が下。成績もですし、テストも去年受かったばかり」と“謙遜”する。だがその後に「ちょっとでも追いつきたいという気持ちはあります」と力強い言葉を続けた。
富士フイルムの会場ではひさびさの再会を果たし、会話もかわした。「子どものころから知っているので、この舞台に2人がいるのはうれしいですよね」。中学を卒業すると、すぐにゴルフ場に勤務しながらプロを目指してきた。テスト合格までには、心が折れかけたこともあったという。それでも「ゴルフが好きなので、やれるまでやろう」と期限は設けずにまい進。その時に刺激になっていたのも、同世代が活躍する姿だった。「踏ん張ってよかったです」という気持ちを、今は噛みしめている。
見本のひとりとして名前を挙げた桑木も、同じ岡山県出身。鳴川がゴルフ場で働きながら練習をしていた頃、当時、岡山理科大学附高に通っていた桑木がアルバイトをしに来て、そこで初めて話した。「頑張らないと」。今、ツアーで活躍する同郷、そして同年代の選手はモチベーションにもなる。
2日目以降の目標は「一打でも上に」。5試合後に控える第1回リランキングも「正直、気になるところ」という。現在3.60ptで暫定リランキングは79位。中盤戦のフル出場権確保が見込まれる35位付近まで、順位を押し上げる必要もある。「でも、そこはあまり考え過ぎず、目の前の一打だけに集中できるように」。やはり余計な計算など吹き飛ばす。(文・間宮輝憲)
