<日本プロゴルフ選手権 センコーグループカップ 2日目◇22日◇蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀県)◇6991ヤード・パー72>
大会2勝、ツアー通算31勝を誇る永久シード保持者・片山晋呉が、23回目の出場となるプロ日本一決定戦で奮闘している。初日を「69」で回り21位で滑り出すと、2日目は5バーディ・1ボギーの「68」。トータル7アンダー・12位タイでで決勝ラウンドに進んだ。
「2カ月間、死ぬか生きるかという状況でベッドにいましたから。そう考えると、こうしてゴルフ場に来てボールを打てていることが幸せです」と安どの表情を浮かべた。
昨年6月に腰痛を発症。椎間板に細菌が感染する化膿性椎間板炎と診断され、約2カ月間の入院生活を余儀なくされた。11月の国内シニアツアー最終戦「いわさき白露シニア」に出場したものの、最終日スタート前に痛みが再発し棄権。それでも今年4月のシニア開幕戦で復帰を果たし、先週の「リョーマゴルフ 日高村オープン」では優勝争いを演じて2位に入った。優勝を逃した悔しさよりも、「しびれる時間に戻ってこられたことが幸せ」と話していた。
その翌週、若手たちがしのぎを削るメジャーで上位争い。2年ぶりのメジャーは「楽しいまではいかないかな。必死さが漂っていると思います。“哀愁”が歩いているんじゃないですかね」とユーモアを交えて報道陣の笑いを誘った。病室で過ごした日々を思えば、「何をしていても幸せ。コンビニに行くだけでもうれしい。それができている幸せを、たぶん一番かみしめていると思います」としみじみ語る。
そんな片山を支えているのが、マネージャーの黒澤ヒカル氏だ。「小学校から僕の追っかけをやってくれていた子が、4年前からマネージャーになって、いま一生懸命やってくれている。僕が病院にいた時も足となり手となりやってくれた。こうして2人でスイングを作ったり、パターの話をずっとしたりすることもできている」と信頼を寄せる。
もともとゴルフ経験のある黒澤氏は、スイング面だけでなくクラブ調整の面でも頼れる存在。「そばにいると心強い。やるべきことに集中できる。本当に助かっています」と感謝を口にした。
先週のシニアツアーでは、日大ゴルフ部の同期・宮本勝昌と優勝争いを演じた。その際は今大会で投入する長尺パターを見据え、一般的な長さのパターで感覚を磨いていた。シニアでは右手でグリップ上部を握り、左手で軽く押さえる“逆クロウグリップ”を採用し、両手の間隔を調整しながらフィーリングを探っていた。
開幕前日の練習日も入念な調整を続けた。オープンスタンスやボール位置の変更、さらにはアームロックまで試行錯誤。片山は、その日の感覚に応じて打ち方やパターを柔軟に変える“日替わり調整”が特徴だ。
その中で今週は、長尺パターのスタンダードとなる左手が上、右手が下のグリップを採用。スタンスはややオープンにし、もともとは左足寄りに置いていたボール位置も、「20センチくらい」右足寄りに置く形で初日からプレーしている。「この意図は?」と問われると、「(黒澤氏が)チャッピー(ChatGPT)に聞いたらしい(笑)」と予期せぬ回答に報道陣も驚き、再び笑いを誘った。
この日はさらに左手の位置をわずかに上げ、左ヒジの角度や右手首の使い方も微調整するなど、プレー中も試行錯誤を重ねた。好スコアを出すための努力と研究。ラウンド中でも細かな修正を惜しまない。
首位と5打差で迎える週末。「楽しく歩ければうれしい。ショットはまあまあいいので、不安がなくゴルフしているのは確か。(ビッグスコアが出たら)いいなと思いながらやりたい」と前を向く。
経験と探求心を武器に、ベテランが頂点を狙う。3日目、どのようなスタイルでコースに立つのかにも注目したい。(文・高木彩音)
