<日本プロゴルフ選手権 センコーグループカップ 2日目◇22日◇蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀県)◇6991ヤード・パー72>
ツアー通算5勝の25歳・蟬川泰果が、意地のプレーで巻き返した。初日は「74」と振るわず100位と大きく出遅れたが、2日目は8バーディ・1ボギーの「65」をマーク。トータル5アンダー・20位タイまで順位を上げ、決勝ラウンド進出を決めた。
昨季終盤には賞金王争いを演じたが、今季は思うような結果を残せていなかった。開幕戦「ISPS HANDA Japan-Australasia Championship」で15位、「前澤杯」で11位とまずまずのスタートを切ったものの、直近2試合は「中日クラウンズ」で棄権、「関西オープン」で予選落ち。苦しい流れが続いていた。
ホールアウト後には安どの表情を浮かべ、「3週ぶりに予選通過をして決勝ラウンドに進めるというのは、本当にうれしいという一言です。きょうは朝からすごく緊張感がありながらのプレーでした」と振り返った。
課題はショットだった。「左へのつかまりがひどかった」と、パー3でグリーンを外す場面が目立った。ショットは左、アプローチは右と、コントロールに苦しんでいた。
しかし初日終了後、スイングの原因を突き止めた。足裏の重心がつま先寄りになり、「(スイングの動きに)ブレーキをかけてしまっている」ことを発見。回転動作がスムーズにいかず、前のめりのスイングになっていた。
そこでこの日は「重心を少し後ろ」に置くことを意識した素振りを繰り返してからショットを打った。「左のミスは1ホールだけだった」と安定感を取り戻し、スコアにつながった。
ショットの復調により3~4メートルのチャンスを量産し、8つのバーディを奪取。パット数は18ホール自己最少の21回。「集中力をきのう以上に高くできた。ラインを読めていたのもあるけれど、いい時のパッティングに少し近づいてきたと思います」と手ごたえを得た。
学生時代は試合数が少なかったこともあり、グリーン上ではボールとカップを結ぶ「薄い線」が見えるような感覚があったという。しかしプロ転向後はさまざまなグリーンに対応する中でそのイメージが薄れ、「なんとなくターゲットを決めて打っていた」。この日は再びラインを明確にイメージできたことが好結果につながった。「自分のイメージをもっと膨らますことが、すごく大事だなと改めて思いました」とかみしめた。
4つの日本タイトルのうち、「日本オープン」(アマ時代の2022年)、「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(23年)、「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」(25年)をすでに制している。今大会を勝てば、キャリアグランドスラム達成となる。
オフシーズンのインタビューでは『キャリアグランドスラムへの意識はある?』という問いに対し、「あと1つと言われると、取りたいと思っています。欲を言えば去年(25年)も取りたかったし、初めて出た23年の日本プロも(優勝に)届きそうな位置だった。24年は杉浦悠太選手に1打差で負けたので…。日本プロ、取りたいですね。本当に。絶対そこは、今年は取りたいと思っていますね」と強い意欲を語っていた。
首位とは7打差。それでも予選落ち寸前からの大きな巻き返しに、「初日からきょうのプレーで、その気持ちに気づかせてくれた」と闘志は再び燃え上がる。プロ5年目、通算5勝のうち3勝がメジャーという“大舞台に強い男”が、偉業達成へ向けて大きな一歩を踏み出した。(文・高木彩音)
