<日本プロゴルフシニア選手権 TSUBURAYA FIELDS CUP 3日目◇5日◇イーグルポイントゴルフクラブ(茨城県)◇7102ヤード・パー72>
“おはようバーディ”から始まった55歳の手嶋多一が、そこから8メートル、7メートルと長いパットを沈め、4番ではグリーンの左にこぼすも約4ヤードの位置からチップインし4連続バーディと前半からエンジン全開でのスタートを切った。
前日は生暖かい強風、30度という10月は思えない気候のなか、汗でゴルフウェアが濡れてしまうほどだった。しかしこの日は20度前後と一気に気温が下がった。「いまいちアイアンが寄っていかない。けっこう雨が降ったから難しかったです」と朝から雨が降り続けるコンディションでも、6バーディ・3ボギーの「69」とスコアを伸ばして2位につけた。
「バンカーからダフったり、9番のティショットでダフったり、やっぱり焦るんですよね。ぱぱっといきたいなって思って。そういうのがいけないんですよね」とスイングのリズムなどにも影響し、ミスも度々顔を出す。「スイングとかボールまで行くときに焦る。ちょっとでも濡れたくないので(笑)」と悪天候ならではのミスには悔いが残る。それでも好スコアで上がれたことに「十分ですよ。きのうも目標が3アンダーと言っていたので、この天気だと思ってもいなかったし、うれしいですよ」と結果には納得だ。
シニアツアーで前回優勝したのは2021年の「日本シニアオープン」。トップと2打差のトータル8アンダー・2位で挑む最終日は3年ぶりのシニアツアー3勝目がかかる1日となる。「そんなに甘くないですもんね。シニアもいっぱい若い選手が入っているし」。手嶋と1打差3位タイにいる51歳の宮本勝昌は今季2勝で、あすは最終組で優勝争いを演じることになる。さらに、「66」をマークしてこの日の大会ベストスコアを叩き出した横田真一が5位タイに迫っている。「もう少し攻められるように。ティショット頑張りたいです」と“若手”に負けるつもりはない。
今大会の副題にもある“ウルトラマン”が、この日は会場に約6体、歴代ウルトラマンが集結した。最終日もヒーローたちは現れる予定だが、「あしたは赤とシルバーで! ウソ! 冗談ですよ(笑)。その色を持っていないですよ」と冗談交じりに、手嶋流のジョークも飛び出す。とはいえ、どんなウェアで登場するのか…、ウルトラマンのようなヒーローぶりを発揮するのか、注目だ。