<ノジマチャンピオンカップ箱根 シニアプロゴルフトーナメント 最終日◇17日◇箱根カントリー倶楽部(神奈川県)◇7060ヤード・パー71>
レギュラーツアー時代、“すしダンス”など派手なリアクションで人気者だったすし石垣が、シニアでも存在感を示している。首位と4打差の16位タイから出たこの日は、8バーディ・3ボギーの「66」で回り、2打差の2位タイ。シニア3年目で自己最高成績を収めた。
前半4つ伸ばして優勝争いに加わると、16番パー4で5メートルのバーディパットを沈めて派手なガッツポーズを見せた。この時点で7アンダーとして単独首位に立った。最終18番はティショットを左に曲げるなど、ボギーとして6アンダーでホールアウト。シニア初優勝に手は届かなかった。
本名は石垣聡志(さとし)。アジアンツアーを転戦して20代の頃、海外では「さとし」が発音しにくいことや日本人ということから登録名を「すし石垣」としてキャリアを重ねてきた。
レギュラーツアーでは、優勝こそなかったものの30代の頃はシード選手として活躍。中学時代までの野球経験をいかした飛距離が武器だった。2024年にシニア入り。賞金ランキングは15位、28位とルーキーイヤーから2年連続でシード権を獲得している。
今季はさらに上を目指すために、「思い切って変えてみました」とスイングの基ともいえるグリップの握り方にメスを入れた。ストロンググリップで握るスタイルだったが、ウィークの度合いを強めている。
「まだラウンド中も微調整はしています。いいショットも出ますが、18番みたいに悪いショットも出ます」と、今年3月に始めたばかりのなか、「66」というスコアには納得する。
「まだ全然できていませんが、60パーセントぐらいの完成度になったら、優勝も見えてくると思います」。来年の海外メジャーの出場権が付与される賞金ランキング4位以内を見据えて新グリップの習得を目指す。
ただ、グリップを変えているにもかかわらず、スタート前の練習場ではほとんど球は打たない。「13球だけです」。なぜ13球なのか。「一撃でしとめる、ゴルゴ13です」と笑って話したが、もちろん、深い理由がある。
「コースに出たら対応力の方が大事じゃないですか。いっぱい練習してきても、できないことの方が多い。ラウンドのなかで微調整する方が大事だと思うんです。あとはパッティングです」。この日のスタート前は1W、6番アイアン、9番アイアンの3本で13球。スタート前は体をほぐす程度で、コースに出てその場の状況にどう対応するか、回りながらスイングを調整することを重視する。
「でもゴルフ場を離れたらボールはたくさん打ちます。新しい感覚を身につけないといけないので」。試合が終わったこの日も、ゴルフ場で出た後に練習場に向かった。次戦こそは優勝をしとめたい。(文・小高拓)
