<JLPGA 最終プロテスト 初日◇31日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6419ヤード・パー72>
今年がプロテスト初受験となる高校3年生が、トップ合格へ幸先のいいスタートを切った。清本美波(愛知・誉高)が、同組でプレーした日大1年の髙野愛姫(あいひ)とともに、7アンダーの首位に立った。
合格へ、大きな貯金になりそうな「65」をたたき出し、少しホッとしたような表情も見える。7つのバーディを奪ったが、「自分のなかで大きい」というのはボギーフリーだった点。「しょうもないミスをなくそうと思って、頭を使って攻略しました」と、マネジメントを意識し続ける18ホールがその結果に結びつく。
元来は「ピンをすごく狙ってしまう」という“猪突猛進型”。だが最終プロテストでは「ピンからの逆算」を心がけプレーしている。細かい傾斜が多いJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部のグリーンは、どこに乗せるかで、結果が大きく変わってくる。そこで時にはグリーンセンター狙いで安全策をとるなど、メリハリのあるゴルフでビッグスコアをたたき出した。
その大きなきっかけになったのが、今年の「日本女子オープン」。予選会を勝ち抜き本戦出場を果たしたが、トータル5オーバーの83位タイで予選落ちした。「今年はダメなところもたくさん経験できた。(日本女子オープンは)特にそうですね。(スイングの)リズムも早くなって、スコアのことばかり考えてしまって。それを今回につなげました」。今年はその日本女子オープンを含め、レギュラーツアーには3試合に出場。すべて決勝ラウンドを戦うことはできなかったが、こういったひとつひとつが糧になり、結果に結びついた。
“大一番”を迎えてもガチガチということはなく、むしろリラックスムードを貫く。「(プロテストは)楽しみって感じでした。緊張はほどよく」。自然体で、足取りも軽い。「(スタートの)ティショットに立った時には、『あっ、プロテストだっ』て思ってちょっと緊張しました」と笑うが、睡眠時間もしっかり確保し、いいコンディションを維持している。
もちろん「まだ初日。あと3日あるので」と慢心などは一切ない。「テンパらず、落ち着いていければ。ボギーが来ると“あ~っ”て焦ってしまうので、そこに気をつけたいです」。初日を終え、合格ラインは3アンダー。さらにアンダーパーに49人がひしめきあう伸ばしあいのプロテストとあって、2日目以降も“注意事項”は決して忘れない。(文・間宮輝憲)