<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 初日◇20日◇サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>
先週の日本ツアー「ニチレイレディス」で父の日V(通算5勝目)を果たして乗り込んだ岩井明愛が好発進だ。4バーディ・2ボギーの「70」で回り2アンダー。午前組を終えて、首位のネリー・コルダ(米国)と1打差につけている。
10番からティオフして、初めてスコアが動いたのが18番パー5。フェアウェイからの3打目を2メートルにつけてバーディを奪った。だが、折り返した1番、3番とボギーを喫して後退。3番ではティショットを左に曲げた。
「ティショットが左に行くのは、右に行くよりはいいミス。あまり気にしなかった。つぎのティショットも思い切って振ろうと意識して、その結果がバーディにつながった」。5番パー3で取り戻すと、7番では残り135ヤードから9番アイアンの一振りが1メートルにピタリ。8番も連続で奪い、好位置で初日を終えた
開幕前にはスイングがしっくりこないと話していたが、この日のパーオンは13回。両サイドの高い木々が視覚的にもプレッシャーを与えるかなりタイトなコースのなか、フェアウェイキープ率は50%だったものの、致命的なミスはなし。「感触はあまりよくなかったんですけど、フェアウェイキープができていたのでスコアが作れたかなと思う」。木がスタイミーにならないようにマネジメントを徹底しながら、ヨネックスの今季発売モデル『EZONE GT Type-S』が火を吹いた。
ツインズ特注カラーで、明愛のヘッドはターコイズブルー。鮮やかな水色がサハリーCCで映えている。「色が自分好みなので愛着も湧いています。飛びますし、ミスしても大きなミスにならない。打ち出したい方向に真っすぐ出て、曲がらない」。同組でプレーした「全米女子オープン」覇者のアリセン・コープスやアリソン・リー(ともに米国)をアウトドライブすることも多く、この日の最長飛距離は292ヤードだった。
日本語での取材を終えると、大会オフィシャル会見にも登壇。英語で投げかけられる質問に、身振り手振りをまじえながら、自ら“英語”で対応した。「コミュニケーションや言葉が話したくても話せないとか、まだ環境には慣れていない。気をつかってしまうんです。お互いそうだと思うけど、ガツガツ行けたらいいな」。自分のプレーに集中しながらも、最終日までこのメジャーの雰囲気を存分に楽しみたい。(文・笠井あかり)