コロナ禍で帰国、“悲しい”期間を乗り越え5年ぶりの日本V チェ・ホソンが勝因に挙げた“妻のチカラ”
シニア日本一決定戦は変則スイングのチェ・ホソンが大会初制覇を果たした。勝利を支えたのは、妻の存在だった。
配信日時:配信日時: 2024年9月15日 22時30分
Round 4 | ||
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順位 | Sc | PLAYER |
1 | -9 | チェ・ホソン |
2 | -8 | I・J・ジャン |
3 | -7 | 横尾 要 |
4 | -6 | サマヌーン・スリロット |
5 | -5 | プラヤド・マークセン |
5 | -5 | 片山 晋呉 |
7 | -3 | 藤田 寛之 |
8 | -2 | 増田 伸洋 |
9 | -1 | ジーブ・ミルカ・シン |
10 | 0 | 沢田 尚 |
<日本シニアオープン 最終日◇15日◇千葉カントリークラブ・川間コース(千葉県)◇6811ヤード・パー71>
2019年の国内男子ツアー「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」以来の日本ツアーVをシニアメジャーで飾ったチェ・ホソン(韓国)。首位タイで迎えた最終日、一時は後退したが3バーディ・1ボギーの「69」で逃げ切った。
「ボク、本当にうれしいです」と満面の笑みを浮かべ日本語で感情を表した。13年から日本ツアーに参戦を続け3勝をマークした。しかし、「コロナがあり、2年半こちらに来ることができなかったので、2019年の試合でつかんだシード権もなくなってすごい悲しい思いをしていたところでした」と新型コロナウイルスの影響で20年からは母国の韓国で過ごした。
「幸運にも」韓国ツアーのシード権が残っていたこともあり、同ツアーに出場。「そこで自分の雰囲気というか、イメージ、そういう感覚をずっと維持しながら」と、試合に出続けて自身のパフォーマンスを維持。そして23年に日本のプロテストを受験し合格。その権利で「なんとか(日本の)シニアのほうに参加させていただけた」と本格的に日本のシニアツアーに参戦したのが今年からで、韓国のシニアツアーでも2勝を挙るなど好調をキープしていた。
日本では今大会までの7試合すべてトップ10入りを果たしていた。そして、ルーキーシーズン8試合目のメジャーでツアー初勝利。「それまではやはり優勝しそうでできない。いつか必ず来るという忍耐を持ってやってきて、やっと優勝できた。伝統的に非常に歴史の深い日本シニアオープンで、最大の大会とも言えるその大会で優勝できたということに対して、感無量ですし、光栄に思っている」。勝利の喜びにあふれた。
待ちに待った日本での優勝。今回の勝因は、キャディを務めている妻の存在だったと明かす。「アスリートって、体を動かす以外に、心の平穏さが大事。その心の平穏さの波は静かな波でキープすることが大切です。そういう意味では、妻の内助がなければ成り立たない」。プレー中にミスがあっても、パートナーのお陰で平常心を保てた。こんな話しも飛び出す。「もう歳をとると、健忘症が最近ひどくて。歩いてるうちにあちこち物を置き忘れるので、それを後ろから拾ってきてくれてるのが彼女」と、こんなサポートも身にしみると笑う。
最終組のひと組前でフィニッシュし、クラブハウス内で放送を見ながら後続のプレーを確認。優勝が決まった瞬間、「愛している」と抱き合い勝利を分かち合う姿があった。ふたりの絆の強さが見られたシーンだ。「妻と一緒に、二人三脚で一緒にプレーするようになってから、まだ一度も優勝してなかった。いつかこうしてケアしてくれる家族と一緒のときに優勝できればいいなと思っていたのが、とても大きな大会で優勝できたということで、本当にうれしいです。特別に」。
待ちに待った日本での4勝目。優勝会見を終えると立ち上がり、報道陣に対しても感謝を繰り返した。「ありがとう。ほんとうにありがとう」。愛すべき“虎さん”が戻ってきた。(文・高木彩音)
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