<資生堂 レディスオープン 事前情報◇26日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)◇6697ヤード・パー72>
昨年大会は、桑木志帆とのプレーオフで競り勝ち、当時19歳でレギュラーツアー初優勝を挙げた櫻井心那。「思い出しましたね。けっこうバックナインとか毎ホール覚えていました」。今週の練習ラウンド、プロアマ戦で戸塚CCを回り、去年のうれしい思い出がよみがえった。
今年は15試合に出場し、7試合に予選落ち。最高位は10位タイと思うような成績が残せていない。それでも、「良い時間を過ごせています」と本人は至って前向きな様子。「調子が悪いからこそ練習することとかに気づく。やっぱり調子が良いときは自分のことあまり見えないというか…」と不調なときだからこそ自分のゴルフと向き合うことができている。そして、「良い感じです」と言えるほどの調子になってきているという。
今月の「ニチレイレディス」から「パターの線を合わせなくなりました」とボールに描いているラインを打ち出し方向に向けて置くことをやめた。「合わせると、方向とかを意識して、自分の感覚が消えちゃって。タッチが合いにくくなっていたので。練習ラウンドとかでポンって入ったりとかするじゃないですか」とラインに対して自分の自然なストロークで打てるために取り入れている。
さらに、メンタル面でも変化があった。櫻井は海外女子メジャー「全米女子オープン」に初めて出場。「日本に帰ってきて、すごく気持ちは楽になりました」と米国ではたくさんのトップ選手を目の前にして、気持ちの変化があった。
結果へのこだわりや、プレッシャーを感じていた櫻井はその意識によって「縮こまっていたというか、そういうのを自分でも感じていたので。何か変えたいなって思っていた。アメリカに行って、トップレベルの選手を見て、こういうことを考えている場合じゃないなみたいな」と自分の位置を改めて確認。自分でかけていた重圧から解放された。
そんなフレッシュな気持ちで挑める今大会は、ディフェンディングチャンピオンとして挑む。「自分のゴルフをいつもと違う感じで頑張るぞとかではなくて、いつも通りなんですけど、 盛り上げたいと思っています。皆さんも注目してくれますし、盛り上げていっぱい声援を浴びたいなって」と照れくさそうに話す20歳は、初の連覇を目指す。(文・高木彩音)