<樋口久子 三菱電機レディス 最終日◇27日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6650ヤード・パー72>
トータル8アンダー・4位タイからスタートした岩井明愛は、8バーディ・1ダブルボギーの「66」をマーク。トータル14アンダーまでスコアを伸ばし、優勝した妹の千怜を2打差まで追い詰めた。「朝の練習から調子は良くなかったけど、そのなかでこのスコアで回ることができて良かったなと思います」。18番グリーンでは、千怜の優勝の瞬間を見守った。
最終日には明愛の代名詞でもある“直ドラ”も2回披露。特に18番パー5では、2打目が249ヤード残っているなかドライバーを選択。するとグリーンエッジに着弾したボールは跳ねてグリーン中央まで転がり、ピン10メートルに寄って2オン。直ドラが成功した。「(フェアウェイ)ウッドも考えたけど、グリーン手前が受けていて、転がってはくれないだろうなと思って。直ドラで少しでも転がってピン近くまで行ってくれたらいいなと思って選択しました」と、その意図を明かす。
成功直後には、両手を挙げて観衆を“あおる”ドヤポーズも披露。それに地元・埼玉のギャラリーも拍手で応えた。「ショットが成功して気分がすごく高ぶって、自然に出ました(笑)。会場を盛り上げていきたいという気持ちでやりました。そうやったら、会場のお客さんも応えてくれて。キャディさんとも『楽しいねー』って話しながらで、最高でしたね」。イーグルパットは決まらなかったが、コースを熱狂の渦に巻き込んだ。
昨年5月の「RKB×三井松島レディス」以来となる姉妹でのワンツーフィニッシュ。その時はプレーオフだったが、やはり千怜に敗れていた。「今週はちょっと悔しい気持ちと、千怜の優勝をひさびさに見られてうれしい気持ちと両方あります」。次は負けるつもりはない。
地元での優勝争いについては、「2人で盛り上げることができたかなと思うし、皆さんの声援がうれしかった。地元のみんながくれたパワーがありました」。またひとつ忘れることができない大会が増えた。(文・神吉孝昌)