<日本プロゴルフ選手権 センコーグループカップ 初日◇21日◇蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀県)◇6991ヤード・パー72>
大会前日、ツアー通算20勝で生涯獲得賞金ランキング3位の58歳・谷口徹に「どんな気持ちで試合に出ていますか?」と問いかけた。質問をしたのはツアー未勝利の24歳・岡田晃平。返ってきたのは「全部勝つ気でいっている」という言葉だった。
練習グリーンでパッティングをしていた岡田は、谷口から『お前、全然勝てないな。こんなにうまいのに』と愛ある叱咤を受けた。さらに、「もう少しカップの壁に当てるイメージで打ってみたら?」とアドバイスも授かった。
もともとジャストタッチで距離感を合わせるタイプだったが、普段よりも強めのタッチに変更した。すると、この日の18ホールのパット数は自己最少「22」を記録した。8番ではチップインバーディも飛び出し、後半はわずか9パット。スコアは1イーグル・7バーディ・2ボギーの「65」と結果につなげ、首位発進を決めた。
そして、この助言だけでなく、勝負に臨む姿勢についても学んだ。「気持ち的な面もすごく勉強になった。結局は『気合と根性』と谷口さんは言っていたけれど、やっぱりそこなのかなって。お礼を言いたいくらい勉強になりました」。2024年11月からメンタルコーチ兼キャディの出口慎一郎氏と毎日セッションを重ねていることもあり、ポジティブな思考を自然に取り入れられた。
この日は一日中雨が降り、硬く速かったグリーンはボールが止まりやすいコンディションに変化した。濡れたフェースやグリップは滑りやすく、難しさも増したが、「雨に強いんです」と笑顔を見せる。「雨だからこそ丁寧になる」ということも、好スコアにつながった要因の一つだ。
さらに今週からドライバーも新調。方向性を高めるために、契約するスリクソン『ZXi LS』から小ぶりの『ZXi LS◆』に変更。加えて、シャフトは46インチから45.5インチに短くした。「ミート率も良くなったし、スピン量も良くなった」と、フェアウェイキープ率は安定し、後半は1度しかフェアウェイを外さなかった。こちらも効果が表れた。
ルーキーイヤーの24年に賞金ランキング50位で初シードを獲得。25年は38位と順位を上げ、安定した成績を残している。昨年は優勝争いに絡みながらもあと一歩届かず。今年もここまでトップ10入りがなく、もどかしい日々が続いている。
これまでトップ3でスタートを切ったのは5回あったが、首位スタートはプロ転向後初めて。「最近は少し調子が落ちていた。1つずつ上がってきています、とは周りに話しているけれど、心配してくれる人も多いので。そういう面では、良かったと思ってもらえたら」と話した。
周囲の初優勝への期待は大きい。「そうやって言ってくれるので、ありがたいですし、早く勝ってアメリカに行きたい」。東北福祉大の先輩・松山英樹のように世界へ羽ばたくことを目標に掲げる。
まだ初日とはいえ、チャンスは訪れた。「スコアよりも勝つという気持ちを持って、後からスコアがついてくると思って」。谷口から学んだ勝利へのこだわりを胸に、残り3日間へ挑む。(文・高木彩音)
