<三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目◇9日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
2日目に「71」を喫して11位タイに後退した石川遼だったが、3日目は6バーディ・1ボギーの「65」で回り優勝戦線に浮上。大会4勝目に向けて、首位と1打差で最終日を迎えることとなった。
スタートホールの1番でバーディを奪うと、3番からは連続バーディを奪取した。7番で唯一のボギーを叩いたが、後半は11番、17番、そして最終ホールでバーディを重ねた。特に18番では、103ヤードの3打目を50度のウェッジでピンそばにつけ、ショットインイーグル目前のバーディを決めて締めくくり。多くのギャラリーの拍手を浴びながらホールアウトした。
2日目はパットに苦戦し、わずかなラインの読み違いに泣かされたが、「自分の思っていた通りのミスでした」と深刻には捉えていなかった。3日目は「パットは割と自信を持って打っていた」と、『26』パットを記録。グリーン上での課題も克服した一日となった。
大会アンバサダーを務める石川は、大会の顔ともいえる存在。「サポートしていただいているので、結果を出したい」。もちろん、大会史上最多となる4勝目への意識もある。「試合前は、『なんとか結果が出てほしい』と願いたくなる」という心境も明かすが、気持ちを落ち着かせて「やるべきことをしっかりやって、いい結果を出せるように準備するしかない」と最終ラウンドに向けて気を引き締める。
1973年のツアー制施行後の記録によると、石川が優勝した場合は、歴代5番目(33歳54日)の若さでのツアー20勝達成となる。最年少記録は中島常幸の30歳260日。以下、尾崎将司(31歳117日)、池田勇太(32歳275日)、倉本昌弘(32歳298日)、片山晋呉(33歳215日)と続く。石川が勝てば片山を超えて、歴代5番目に名を連ねることになる。
この日、今季最多となる10048人のギャラリーが来場。試合後は石川にサインを求める列ができるほどで、その人気は健在だ。過去、2010年、12年、22年大会を制した際はすべて最終日最終組で戦った。あすも最終組でのスタート。今季2勝目への期待が一層高まっている(文・齊藤啓介)