<全米オープン 初日◇15日◇ザ・ロサンゼルスCC ノースC(米カリフォルニア州)◇7421ヤード・パー70>
今季メジャー第3戦「全米オープン」に初出場の桂川有人は、4バーディ・3ボギーの「69」でプレーし、1アンダー・25位タイで初日を終えた。
前日にフェアウェイキープを大切にしたいと話していたものの、1番のティショットで早速ラフに入れてしまう嫌な立ち上がりに。桂川も「超ショックでした」と振り返るも、「開き直れたというか、正直、実力が足りてると思っていないので挑戦者の気持ちというか、しょうがないかな」と、“ある意味”いいミスになったようだ。
スタートホールは本人が「今日イチ」と語るアプローチもありパーセーブ。しかし、4番で3パットのボギーを叩くと、7番でも右バンカーにつかまってボギーに。苦手と語るインコースに2オーバーで向かうことになってしまった。
しかし、ここから桂川の巻き返しが始まった。「前半でさらに自信を失くしかけてたんですけど、10番でいいのが決まってくれて。その1回がすごい… いい感覚を研ぎ澄ますじゃないですけど、何がよかったかというか、いいイメージを持とうと思ってやったらちょっとつかむものがあって」と語るように、10番で3.5メートルを沈めて反撃の狼煙を上げるバーディを奪取した。
何を変えたのかと尋ねられると「アドレスです。立ってるだけだったんですけど、ちょっと体幹を締める感じで、ギュッと」と答える。「固まっちゃ駄目なのかなとか思ってやってなかったけど、昨年から何かしっくりきていなくて、もうアドレスからしっくりきていなくて、手もブレちゃうし」と、今まで違和感があった桂川。アドレスを変更したところ「転がりと距離感と、すべてが変わった」という。勢いそのままに、12番、15番、16番でもバーディを奪った。最終ホールでボギーを叩くも、後半4バーディ・1ボギーの猛チャージで3つスコアを伸ばし、初日を1アンダーで終えた。
しかし、桂川自身も不思議な感覚だったよう。「急にタッチが合うようになったり、ボールもラインに乗ってくれるようになったり、読み通りに転がってくれるようになったり、なんか不思議でしたけど。わかんないっす」と、正直に話す。
リッキー・ファウラーとザンダー・シャウフェレ(ともに米国)が「全米オープン」のコースレコード「62」をマークするなど、上位陣は大きく伸ばす展開だが、予選通過を狙える好位置につけた桂川。2日目に向けて「明日もアンダーパーで回れるように頑張ります」と意気込む。苦手意識のあったインコースを攻略して、自信をつけた24歳がどこまでスコアを伸ばせるか楽しみだ。