PGAツアー
米国男子
マスターズ
2着目のグリーンジャケットと初めての赤ちゃん S・シェフラーがつかむ“2つの幸せ”「子ども最優先…ゴルフは4番手になるかな」
さすがは世界NO.1。スコッティ・シェフラーが圧倒的な強さでマスターズ2勝目をつかんだ。
配信日時: 2024年4月15日 01時53分
Round 4 | ||
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順位 | Sc | PLAYER |
1 | -11 | スコッティ・シェフラー |
2 | -7 | ルドビグ・オーバーグ |
3 | -4 | トミー・フリートウッド |
3 | -4 | マックス・ホーマ |
3 | -4 | コリン・モリカワ |
6 | -2 | キャメロン・スミス |
6 | -2 | ブライソン・デシャンボー |
8 | -1 | ザンダー・シャウフェレ |
9 | 0 | キャメロン・ヤング |
9 | 0 | ウィル・ザラトリス |
<マスターズ 最終日◇14日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>
世界ランク1位が、2年ぶりにグリーンジャケットの袖に手を通した。「長い1週間だった。またこのジャケットを着てここに座り、このジャケットを持ち帰ることができるなんて、特別なことだよ」。スコッティ・シェフラー(米国)は、再び王者になった実感を噛みしめながらそう答える。
3日目を終え、2位のコリン・モリカワ(米国)とは1打差。だが最後は4打のリードをつける圧勝劇だった。勝負所は「8番のバーディパット。2.5メートルくらいあった」。4番、7番と立て続けにボギーを叩きながら、この日のスコアをイーブンに戻したホールだ。さらに次の9番のバーディにもつながる一打だった。
ここまでも世界1位に恥じない戦いを続けてきた。マスターズ前までにすでに2勝を挙げただけでなく、8試合でトップ10を外したのはわずかに1試合という驚異的な安定感。オーガスタでは「66」、「72」、「71」、「68」というスコアを刻んだが、今年に入りオーバーパーがないというのも驚きだ。「オーバーパーがどれだけ嫌なことか。今年はまだそれを経験していないからうれしい」。グリーンジャケットを手にいれるにふさわしいゴルフを続けてきた。
そして、この後、さらに大きな“宝物”が家にやってくる。今月末に妻メレディスさんとの間に、第一子が産まれる予定だ。開幕前には出産が早まれば、大会を欠場するという報道もされたほどで、会見では『最終日のバックナインで電話が来ていたらどうしていた?』という質問も飛んだほど。それを聞くと「もちろん帰らなかったよ。落ち着いて、ショットを打つことに全力を尽くしていたよ」と言って笑った。
マスターズ王者のパパとして、子どもを迎えいれることができる。「今夜は家に帰ってこの勝利に浸るけど、すぐに第一子の誕生を楽しむつもりだよ。ゴルフは大好きだけど、優先順位はすぐに変わるだろう。これからは妻とともに息子か娘が最優先となり、ゴルフはおそらく4番手になるかな。だからといって、すぐにボールから目を離すつもりはないよ」。幸せなできごとが、一挙に押し寄せる。
2年前は最終18番で4パットのダブルボギーで勝利をつかんだが、今回は1パットで締めくくった。これには「18番の平均ストロークと平均パットを下げることができてよかった」というジョークも飛び出す。ウイニングパットを流し込むとキャディと抱き合い、パトロンからの歓声に両手を挙げて応えた。「正しい形でトーナメントを終えたかった」。22年は初優勝を手にした年で、その後さらに2勝を積み重ねてマスターズを制した“新進気鋭”の世界1位による戴冠だったが、今年は貫禄の勝利になった。
「これからの2、3週間が楽しみ。うまくいけば少しは眠れるだろうけど、2、3カ月はたぶん眠れない日が続くだろう。結婚は私の人生にとってとてつもなく大きなものだった。親になることがどんなことかはまだ想像すらできないけどね」。2着目のグリーンジャケットと初めての子供を手に入れた王者は、多少の寝不足でも、これまで以上の強さを発揮するのだろう。(文・間宮輝憲)