<全米プロ 事前情報◇13日◇アロニミンクGC(ペンシルベニア州)◇7394ヤード・パー70>
3月に行われた“第5のメジャー”「プレーヤーズ選手権」を制し、4月はシグネチャーイベントの「キャデラック選手権」でも勝利。世界ランキング3位のキャメロン・ヤング(米国)は、ここまでフェデックスカップポイント1位を走っている。
「マスターズ」で3位になった29歳は、14日に開幕する今季メジャー第2戦でももちろん “優勝候補”筆頭の一人に挙げられている。ただ、それ以外でも“話題沸騰中”。注目を集めている理由は、使用している『ボール』からだ。
2025年、米男子ツアーのレギュラーシーズン最終戦「ウィンダム選手権」でツアー初制覇を挙げたときから、ヤングが使用しているのは「タイトリスト・ProV1x・ダブルドット」。そしてこのボールは、R&AとUSGAが30年までに施行する予定の“飛ばないボール”の基準を満たしていると考えられている。
全米プロ開幕を翌日に控えた13日には、公式会見でこのボールを選んだ理由を問われ、「ボールを選んだのは他の選手が自分のボールを選ぶのと同じ理由。自分にとって一番感触が良かったから」と回答した。
約2年前にボールのテストを開始したことを明かす。「タイトリストの試験場でボールを打ってみると、『あれ、今のボールは何? すごく飛び方がいい』と思った。それで初めてウィンダムで使ってみた。以来ずっとこのボールだ」。“一目惚れ”したのが、今につながっているというわけだ。
多くのゴルフコースは、これ以上距離が伸ばせないことから2023年12月に、R&AとUSGAがプロフェッショナル、及びエリートアマチュアに28年から“ゴルフボール・ロールバック”、いわゆる「飛ばないボール」への規制を正式発表。アマチュアは30年から適用されるとした。この規制で13〜15ヤードほど飛距離が落ちるとも言われてきた。
しかし、プレーヤーズ選手権でヤングは、72ホール目の18番パー4で375ヤードのロングドライブを記録し、米男子ツアーがショットリンクを導入して以降の最長距離を打ち立てた。これにも後押しされ、マシュー・フィッツパトリック(イングランド)を1打差で退け勝利したのは記憶に新しい。
ただヤングはこのボールを使う理由は、飛距離ではないという。「僕にとって一番重要なのはスピンコントロール。それがこのボールが一番だった」。またこのボールが「飛ばないボール」に適合する可能性もごく最近知ったという。それでも「今は何も考える必要はない」と、問題なしを強調する。「自分のゴルフをさらによくすることだけを考えている。そのために必要なのがこのボールだ」。心強い“相棒”とともにメジャー初制覇を目指していく。(文・武川玲子=米国在住)
