プロテストから一夜明け行われた2日の入会式で、26人の合格者たちは日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の会員入りの証となる認定証を受け取り、実感も増すばかり。そのなかのひとり、青木香奈子も「プロになれたといううれしさと、これから違う段階に行くので、もっともっと頑張らないと」とスーツ姿で気持ちを引き締めた。
合格を決めた直後からLINEでの祝福メッセージは150件超え。「インスタはまだ見ることができず…、少しずつ返していければ」とうれしい悲鳴だ。昨年11月まで研修生をしながら5年ほどキャディとしてフェニックスカントリークラブ(宮崎県)に勤めていたが、その時の同僚や、お世話になってきた地元の人たちからもたくさんの『おめでとう』という言葉をもらい、幸せをかみしめる時間が続いている。
6度目のプロテスト挑戦で、今回が初の最終進出ながら、そのチャンスをものにした。改めて、これまでを振り返ると「長かったですね。キャディとして過ごした5年は長かったな。(仕事を辞め関東に拠点を移す)勇気は必要だったけど環境を変えてよかった。その1年でプロテストに受かるとは…。私のレベルではまだまだと思っていたので、1年でレベルを上げられた自分をほめてあげたい」と感慨も深い。特にコーチに師事して取り組んできたパターと、マネジメント面で成長を感じている。
「あまり落ち込むこともないし、いい意味で適当(笑)。深刻な顔をするのが好きじゃないんです。楽観的に楽しむタイプですね」と自認する明るさが、にじみ出ている。今回のプロテストでも、常に前向きでいることを意識したが、そこにはある人物の言葉も影響している。「YouTubeで宮里藍さんが、“あごを上げる”と言っているのを見て、心がけてきました。ダブルボギーが来ても落ち込まず、松林の上の方を見ていました」。ゴルフを始めた時からの憧れで、「藍さんの試合に出て、1度お会いしたい」という願いの実現も心待ちにしている。
今後の課題には「アプローチ」を挙げる。もともとショットが得意で、グリーンをあまり外さないゴルフに自信を持つが、これから対峙するのはトーナメントの難セッティング。必ずピンチの場面は訪れ、この小技が命運を分ける場面も増えるはずだ。本当であれば一休みを入れ、「すごく行きたい」という韓国旅行などで骨休めといきたいところだが、それも当分はお預け。まずは19日から始まる1次QT、そして26日からの最終QT突破を目指していく。
「レギュラーツアーに出場したい。ずっと憧れていた舞台なので。ツアー選手と戦って、自分がどれくらいのレベルなのかをまずは知りたい。今回、受かったのもすごい選手ばかり。私がここに居ていいのかという思いは強いので、もっともっと磨くべきところを磨かないと」
1月にはハワイに渡る予定があるが、それも「合宿」のため。そんな青木には、プロになって果たしたい“夢”がある。「車が好きで、プロになったらマカン(ポルシェ)かQ5(アウディ)に乗りたいとずっと思ってきました」。ここからも目標に向かい、ゴルフ漬けの生活を送ることになりそうだ。(文・間宮輝憲)