<すまいーだカップ シニアゴルフトーナメント 2日目◇29日◇イーストウッドカントリークラブ(栃木県)◇6867ヤード・パー72>
初日首位タイで滑り出した飯田耕正が5バーディ・1ボギーの「68」で回り、トータル11アンダーで単独首位に立った。45歳でプロテストに合格した男が、シニア初優勝に王手をかけた。
この日の最終組は飯田のほか、レギュラー、シニアともに優勝経験のある増田伸洋と鈴木亨。少し表情の硬い飯田だったが、最大瞬間風速15.3m/sを記録する強風の1日が幸いした。
出だしの1番パー4で右ラフからの2打目をピン右10メートルに乗せると、それを流し込んでバーディ発進。2番のグリーン上では緊張がほぐれず、自身の顔を叩いて“リラックス”と言い聞かせる。
「間違いなく緊張はしていましたし、硬くなっているところはありました。ただ風が本当に強かったので逆に他のことを考える余裕がなかったのは、よかったと思います」。普段どおりのショットはなかなか打てなかったが、“風と戦う”ことに集中したおかげで、余計な重圧を感じずにスコアメイクに徹した。その結果、スコアを4つ伸ばして2位に2打差をつけて単独首位に立った。
愛知県出身の飯田は16歳でゴルフを始める。30歳になった2004年に25歳以上のアマチュアナンバー1を決める「日本ミッドアマ」を制した。ほかにも「中部アマ」のタイトルや「中日クラウンズ」、「東海クラシック」などのベストアマを獲得。中部地区のトップアマとして活躍していた。
もともとプロ志望はあったが「実力がなかったのでプロになるのが遅かった」と38歳で国内男子ツアーのQTを受験して、ツアープレーヤー転向を決意。1年目の13年は7試合に出場して「~全英への道~ミズノオープン」で31位が最高成績。それ以降はレギュラーツアーの出場はない。そして、シニアツアー参戦を目指して、45歳の時にPGAのプロテストに合格という異色の経歴の持ち主だ。
シニア1年目の24年は、最終戦の「いわさき白露シニア」で2位に入り、賞金ランキング20位でシード権を獲得。昨季は同52位で1年でシード権を手放したが、今季は最終予選27位の資格で限定的ながら出場権を得ている。
「シニアの練習場は素晴らしいショットを打つ人ばかり。お手本ばかりです。直接聞くほどの面識はないので、スイングを観察して学んでいます。自分で打つよりも見ている方の時間が長い時もあります」。往年の名プレーヤーが集まる練習場では、いい教科書になり、自身の成長につなげているという。
シニア入りしてもまだまだ成長を続ける飯田にとって、2位に2打差をつけシニア初優勝の絶好の機会が訪れた。最終日最終組は鈴木亨と20年のシニア賞金王・寺西明。ほかにもレギュラーツアー7勝の宮瀬博文、同18勝の藤田寛之、シニアツアー25勝のプラヤド・マークセン(タイ)ら百選錬磨の選手が追いかける。
「普段通りできないと思いますが、自分なりのプランでコツコツ伸ばせたらチャンスはあるのかなと思ってがんばりたい」。普段お手本とする選手たちとの戦いが始まる。(文・小高拓)
