松山英樹の【左手親指痛】を経験者と考える。マスターズには間に合うのか?
松山英樹の左手親指痛による離脱で、いまいちPGAツアーを観る楽しみが薄れる毎日です…。今回は、ギアと少し離れて、この【左手親指痛】を識者と議論することに。何しろ筆者もコレには苦しみましたので。
配信日時: 2018年2月20日 08時04分
「怪我の功名で、打てるクラブの幅が広がった」(筆者)
筆者 「ボクの場合、左手親指を痛める前というのは、自分のスイングに合うかどうかしか、クラブ、特にシャフトの評価が出来なかったんですよ。常にマン振りでクイックな自分のスイングに合うクラブなんて、むちゃくちゃストライクゾーンが狭かった。でも、ベースボールグリップでスプリットで振るうちに、以前とは考えられないくらい、合わないクラブも打てるようになりました」
平田 「というと?」
筆者 「テンフィンガーグリップで握るということは、両手の指10本すべてがクラブに接しています。しかも、スプリットで両手を離して握っているので、特にシャフトの動きが以前とは比べ物にならないくらい、よく体感できるようになったんです。それで、打てるクラブの幅が格段に広がりました。以前は、シャフトの好みの幅もストライクゾーンもすごく狭かったので」
平田 「そんなこともあるんですね。でも、それはプレーヤーとして、メリットだと言えるのでしょうか…」
平田 「というと?」
筆者 「テンフィンガーグリップで握るということは、両手の指10本すべてがクラブに接しています。しかも、スプリットで両手を離して握っているので、特にシャフトの動きが以前とは比べ物にならないくらい、よく体感できるようになったんです。それで、打てるクラブの幅が格段に広がりました。以前は、シャフトの好みの幅もストライクゾーンもすごく狭かったので」
平田 「そんなこともあるんですね。でも、それはプレーヤーとして、メリットだと言えるのでしょうか…」
筒 「一部メリットだと言えるんじゃないですか。ゴルファーとして、合うシャフトの幅が広がるのは選択肢が増えていいことですし。ボクも長年クラブのテスターをやっていますが、確かに長岡さんは怪我して良かったパターンだと言えるでしょうね。今まではボクらテスターが言う言葉の中身を本当の意味で理解してもらえているか、疑問なところもありましたから。長岡さん自身がクラブテスターとしての能力を広げてくれたおかげで、皆まで言わなくても理解してもらえるようになりました。正直言って、ラクですよ。書き手の長岡さんがボクらテスターの言語化しづらい微妙なフィーリングの部分を理解してくれるようになったので」
平田 「私も長年ゴルフをやっていますが、シャフトの動きを理解するレベルまではいかないですね。どんなシャフトでも何球か打つと合わせられてしまうというか、すぐにアジャストして真っすぐ打とうとしてしまうため、無意識の反応が先に出てしまってシャフトの特性どうのこうのといった言語化はできないです。もちろん、気持ちいい、気持ち悪いレベルでは感じていますが、どこが硬い柔らかい、いい悪いは分かりません」
筒 「まぁ、うまく打てるのであれば、それでまったく問題はありませんけどね。あくまでも、長岡さんの場合はギアの性能を解き明かす上で、仕事に必要な能力を怪我の功名で得たと言えると思います」
筆者 「ですね。ホント、怪我して良かったぁ〜」
平田&筒 「……。(ど変態だなぁ…)」
平田 「私も長年ゴルフをやっていますが、シャフトの動きを理解するレベルまではいかないですね。どんなシャフトでも何球か打つと合わせられてしまうというか、すぐにアジャストして真っすぐ打とうとしてしまうため、無意識の反応が先に出てしまってシャフトの特性どうのこうのといった言語化はできないです。もちろん、気持ちいい、気持ち悪いレベルでは感じていますが、どこが硬い柔らかい、いい悪いは分かりません」
筒 「まぁ、うまく打てるのであれば、それでまったく問題はありませんけどね。あくまでも、長岡さんの場合はギアの性能を解き明かす上で、仕事に必要な能力を怪我の功名で得たと言えると思います」
筆者 「ですね。ホント、怪我して良かったぁ〜」
平田&筒 「……。(ど変態だなぁ…)」
「左手親指痛は一般アマには無縁」(平田)
筆者 「でも、この左手親指の付け根の痛みって、一般ゴルファーに関係あると思いますか?」
平田 「ないでしょう。プロゴルファー並のヘッドスピードか、相当な練習量の人間でなければ、まったく無縁のケガだと思いますけど」
筆者 「やっぱ、そうですよね…。でも、松山英樹も数年前に別の箇所でも左手親指痛をやってるようですし、やっぱりここを何度も痛めるのってなにか原因があるからですよね?今回はまったく別の箇所で生命線の終わりの辺りらしいですが。ボクも痛めた時は、この生命線の終わりのやや内側辺りが紫色に内出血してました。あと、左手親指の付け根の内部の激痛と腫れ上がりですね」
筒 「一部、ヘッドスピードの速くない一般アマでも練習量の多い人は左手親指を痛めると思いますよ。昔、ポーラ・クリーマーが手術してましたよね?」
平田 「ないでしょう。プロゴルファー並のヘッドスピードか、相当な練習量の人間でなければ、まったく無縁のケガだと思いますけど」
筆者 「やっぱ、そうですよね…。でも、松山英樹も数年前に別の箇所でも左手親指痛をやってるようですし、やっぱりここを何度も痛めるのってなにか原因があるからですよね?今回はまったく別の箇所で生命線の終わりの辺りらしいですが。ボクも痛めた時は、この生命線の終わりのやや内側辺りが紫色に内出血してました。あと、左手親指の付け根の内部の激痛と腫れ上がりですね」
筒 「一部、ヘッドスピードの速くない一般アマでも練習量の多い人は左手親指を痛めると思いますよ。昔、ポーラ・クリーマーが手術してましたよね?」
平田 「あくまで私個人の意見ですが、穏やかでゆったりなトップから、急激に切り返すことで、負荷が左手親指付近に集中するのではないでしょうか。単純なタメの深さというだけではなく、握り方や手のサイズによって、負荷がかかる場所はプロによっても全然違うと思います」
筒 「よく、ショートサムではなくロングサムだからじゃないの?といった意見も聞かれますが、それも多少あるかもしれませんが、左手親指の柔軟性は人によってまったく違うので一概に言えません。だって、ジャンボ尾崎選手は昔から超ロングサムで腕力も強いし、リストアクションも強いタイプで練習量も多いのに左手親指は元気です。これは、ジャンボさんが左手親指の柔軟性が高く、反って手首につくほど柔らかいからなんですね」
筒 「よく、ショートサムではなくロングサムだからじゃないの?といった意見も聞かれますが、それも多少あるかもしれませんが、左手親指の柔軟性は人によってまったく違うので一概に言えません。だって、ジャンボ尾崎選手は昔から超ロングサムで腕力も強いし、リストアクションも強いタイプで練習量も多いのに左手親指は元気です。これは、ジャンボさんが左手親指の柔軟性が高く、反って手首につくほど柔らかいからなんですね」
筆者 「なるほど。ボク自身が痛めたときは、自分の右掌で左手親指を強くインパクト付近で押してしまったからだという自覚がありますね。そして、その時は左手がウィークグリップでややショートサムでした。松山英樹もこの画像を見る限り、ロングサムとは言えないですね。DJやスピースの方がはるかにロングサムですし」
平田 「左手ウィークというのはここを痛める原因の一つでしょう。左手親指がシャフトの上に沿わせて握る形になりますし、トップでもこの左手親指にシャフトが乗る形になりますよね?リストアクションも強くなりますから、左手親指への負荷は大きいと言えるでしょう」
筒 「そうですね。海外のトッププロであまり左手親指痛の話を聞かないのも、左手親指をシャフトの上に乗せないからじゃないかと踏んでます。元々手のサイズが大きい上に、フックめに握る人も多いため、左手親指は自分から見てシャフトの右側に来る人が多いはずです。この位置に親指があれば、基本的に親指の付け根を痛めることはないと思いますね。単純に、ショートサム、ロングサムといった問題ではないと思うのはそこも理由ではあります。アマチュアはフックグリップの人が多いですし、このケガと無縁だという平田さんの意見も分かります」
筆者 「あと、グリッププレッシャーはどうでしょう?関係ありそうな気がしますが…」
平田 「左手ウィークというのはここを痛める原因の一つでしょう。左手親指がシャフトの上に沿わせて握る形になりますし、トップでもこの左手親指にシャフトが乗る形になりますよね?リストアクションも強くなりますから、左手親指への負荷は大きいと言えるでしょう」
筒 「そうですね。海外のトッププロであまり左手親指痛の話を聞かないのも、左手親指をシャフトの上に乗せないからじゃないかと踏んでます。元々手のサイズが大きい上に、フックめに握る人も多いため、左手親指は自分から見てシャフトの右側に来る人が多いはずです。この位置に親指があれば、基本的に親指の付け根を痛めることはないと思いますね。単純に、ショートサム、ロングサムといった問題ではないと思うのはそこも理由ではあります。アマチュアはフックグリップの人が多いですし、このケガと無縁だという平田さんの意見も分かります」
筆者 「あと、グリッププレッシャーはどうでしょう?関係ありそうな気がしますが…」
「グリップ圧は無関係。松山選手はソフトに握る」(筒)
筒 「いや、関係ないでしょう。松山英樹選手は、グリップ交換のスパンがとても長い選手と、メーカーから聞いています。昔は『ツアーベルベットラバー』を薄く伸ばして入れて削れやすい状態だったのに、彼のグリッププレッシャーが強くないため、ほとんど削れたり傷ついたりすることがなかったそうですし、だからマメも出来づらいそう。アマチュアだと、右手の親指や左手親指部分がエグれる人もたくさんいますが、松山英樹選手にそれはまったく当てはまりません」
平田 「私もグリッププレッシャーは左手の小指側から三本はしっかり握りますが、基本ソフトですよ。でも、左手親指は何度も痛めています。関係ないと思いますね」
筆者 「なるほど。この左手親指痛が深刻なケガだと語られる背景には、やはり丸山茂樹プロの存在があると思います。選手生命を絶たれる危険があるほど深刻なんじゃないか?と。その点についてはどう思いますか?」
平田 「確か、田中秀道プロもアメリカではここを痛めていたと話した記憶がありますね。でも、手のサイズ的に彼らと松山英樹選手は違うでしょう。グリップの握り方もスイングも違う。私自身は、注射1本で何度もこのケガを難なく片付けた経験があるので、まったく心配しません。痛みを取るのは最新医療であれば、容易いことですから」
筒 「ボクも同感です。握り方を変えるというのはプロゴルファーの場合細かなフィーリングに影響しますが、元々ありとあらゆる握り方のパターンを過去に試行錯誤してきているはずだし、事実、毎日いろんなトライアンドエラーで微調整するはずなんです。たとえ握り方が少し変わったとしても、松山英樹選手に致命的なエラーが起きると思いますか?そんな実力じゃないですし、最悪、痛みを取るだけならテンフィンガーグリップという手段もあります。時松隆光選手だって、これで成績が出ていますし。左手親指痛くらいで大げさに悲観する必要は一切ないと思いますよ」
筆者 「なるほど。日本中のゴルフファンが心配していると思うので、一番大事な最後の質問です。ズバリ、マスターズに間に合いますかね?」
筒&平田 「もちろん。まったく問題ないでしょう!」
Text/Mikiro Nagaoka
平田 「私もグリッププレッシャーは左手の小指側から三本はしっかり握りますが、基本ソフトですよ。でも、左手親指は何度も痛めています。関係ないと思いますね」
筆者 「なるほど。この左手親指痛が深刻なケガだと語られる背景には、やはり丸山茂樹プロの存在があると思います。選手生命を絶たれる危険があるほど深刻なんじゃないか?と。その点についてはどう思いますか?」
平田 「確か、田中秀道プロもアメリカではここを痛めていたと話した記憶がありますね。でも、手のサイズ的に彼らと松山英樹選手は違うでしょう。グリップの握り方もスイングも違う。私自身は、注射1本で何度もこのケガを難なく片付けた経験があるので、まったく心配しません。痛みを取るのは最新医療であれば、容易いことですから」
筒 「ボクも同感です。握り方を変えるというのはプロゴルファーの場合細かなフィーリングに影響しますが、元々ありとあらゆる握り方のパターンを過去に試行錯誤してきているはずだし、事実、毎日いろんなトライアンドエラーで微調整するはずなんです。たとえ握り方が少し変わったとしても、松山英樹選手に致命的なエラーが起きると思いますか?そんな実力じゃないですし、最悪、痛みを取るだけならテンフィンガーグリップという手段もあります。時松隆光選手だって、これで成績が出ていますし。左手親指痛くらいで大げさに悲観する必要は一切ないと思いますよ」
筆者 「なるほど。日本中のゴルフファンが心配していると思うので、一番大事な最後の質問です。ズバリ、マスターズに間に合いますかね?」
筒&平田 「もちろん。まったく問題ないでしょう!」
Text/Mikiro Nagaoka